0011 大根の漬物のゆくえ

百汁百菜

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 大根の漬物に失敗してしまった。割り干し大根にして醤油漬けにし、某かつ丼チェーン店で取り放題になっているアレのようなものを作ろうと考えたのだが、大根の青臭さや辛味が残った何ともいえない漬物になってしまった。大根の干し具合が甘いままに漬物にしてしまったのがダメだったのだ。
 僕が畑で育てた大根は水気が多く、とても瑞々しい。パリッと張りがあり、うっかり落とすと割れてしまうほどにパンパンに水気が詰まっていたのだ。それをカビを生やさぬようにカラカラに干すとなれば、12月の気候ではまだまだ暖かすぎた。カビを恐れて早めに引き上げた結果、まだまだ水気の残る大根では、割り干し大根の、水気ではなく繊維感がもたらす小気味良い食感と旨みの凝縮には至らず、食べられるけれど、なんか違うものになってしまった。

 そんな大根の漬物を丸々1本分で作ってしまったからさぁ大変。せっかく作った大根なのだから、捨てるなんてとんでもないと、長めに漬ければマシになることを祈りながら、半分はそのまま醤油に漬けて、残りを大根を使った煮物に転身させることにした。

 大根の漬物に使った調味料は醤油、砂糖、酢、みりん。それに鷹の爪や昆布、生姜……これならば煮物にして巻き返せる。まだ漬かりも甘いから、醤油辛いということにもならない!
 そして、大根の漬物に干し椎茸、白菜、鶏むね肉を加えて煮込み、最後に水溶き片栗粉でとめた、中華風の煮物へと転身させることに成功したのだ。それが、今回のおかずにもなっている。

 大根の漬物で失敗したことで、大根はとんだ大曲者であったことを思い出した。真白でずんぐりとした体躯からは清廉潔白さ、あるいは朴訥さが感じられ、クセのない純粋で静かな印象を我々に与えるが、フタを開けてみればツンと辛味があり、青臭みがあり、またいくつもの消化酵素をもってして、でんぷんもタンパク質も脂質も分解せしめるというのだから、見た目とは違って随分とパワフルである。
 よくよく考えてみれば、普段食べている部分のほとんどが肥大化した根なのである(青首の部分は茎)からして、ひと癖あって当然なのである。

 大根も人も、内に隠し持っているものは見た目に表れてこないことがあるのだから侮るような真似は慎みたいのだが、ついついそれを忘れてしまうのは悪いクセである。

今回の一汁一菜

2025/12/16分

水菜・にんじん・油揚げの味噌汁
大根の漬物を使った椎茸・白菜・鶏むねの中華風煮物

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