0007 恵方巻づくり3年生

百汁百菜

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 恵方巻とは経営コンサルのようなもので、どちらも社会の必要以上に広がってしまったものであるといえる。社会にあふれたものたちは苛烈な差別化競争にさらされる。そうして恵方巻も経営コンサルも各々差別化に奔走する中で、高額化、権威化そして珍味化していった。僕が大手スーパーの惣菜・寿司売り場でアルバイトをしていた大学生のとき、1本で4〜5,000円を取るような「のどぐろ恵方巻」なんかを店頭に出していたが、そんなもの売れるはずもなく、あえなく廃棄に。のどぐろ巻がいったいどこに吸い込まれていったのかは……お察しください。
 そうして恵方巻は大量廃棄が社会問題化し、「のどぐろ」事件の翌年からは、高額商品は全て予約制に変わっていた。普通の恵方巻自体も、店頭に出す本数はかなり減ったようだ。一方、経営コンサルは2025年に倒産件数が過去最大を記録していて、AIサービスが伸長する中、どう生き残りをかけるのか問われている。社会に広がりすぎたものは、意志の如何に関わらず畳まれるのが世の常である。今後も何かが出てきては過剰に広がり、そして畳まれていくのだろう。

 恵方巻に関しては、広がり過ぎたがゆえに文化衝突を起こしたのが不幸であったように思う。巻き寿司の丸かぶりを習慣として持っていなかった地域にも持ち込まれて、食べ方そのものや押し付けがましいコンビニ、スーパーの売り方に物言いがついてしまった。「嫌ならやらなければいい」と切り捨てるには、外がかまびすしすぎる。全国区に広げようとした火元はセブンイレブンだけど、今となっては誰が燃やすでもなく、勝手に各社が燃え上がっている。
 やっぱり「切らずに売ってもいい」っていうのが、量産に向いているのかな。用があって昼前に昔のバイト先のスーパーに行ったけど、今年も総動員で恵方巻を作っていた。寿司売り場と惣菜売り場は分かれているのだけど、この日に限っては惣菜のメンバーも入って、みんなで恵方巻を巻くのだ。工場で作ったものをそのまま売るのではなく、あくまで店で手巻きするのというのはイ○ンの矜持がうかがえる部分ではある。
 足りなくても、余っても文句を言われる恵方巻だから、生産量の調整は社員のセンスが求められるだろう。それこそAIを使って、恵方巻需要予測をしてみたらどうだろうか。もうすでにやっているかもしれないが。

 さて、今年も僕は相変わらず恵方巻を巻く。1年に1度とはいえ、3年目にもなればさすがに慣れてきた。1本目から快調に巻いていって、あっという間に巻き終えた。パーツごとにコツコツと準備を整えていけば、どうということはないし、ちょっと疲れはしたが、難しいことはない。恵方巻商戦に乗っからず、静かに過ごす節分は心地のよいものである。ちなみに最初の1年のことはnoteに書いたものがあるので、そちらを読んでもらえたらありがたい。

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 米の高騰で、恵方巻ではなく「恵方巻ロールケーキ」を売ることにしたなんてニュースを見たが、家で巻くものの目線からでいえば、海苔とかんぴょうの高騰のほうが厳しい。米も高いは高いが、丸かぶりのしやすさを重視して中巻程度の太さで巻くために薄く広げるから、実は米はそんなに必要ない。でも、海苔は巻き寿司1本につき1枚を丸々取られるから減らせない。海苔の不作もあって薄い(これは多少マシになった)、少ない、高いの三重苦である。
 かんぴょうも作り手の減少によって年々量が減って高くなっている。1年に1度だからいいものの、1年に1度しか使わないからこそ需要がなくて作り手が減っているのだと思うと、申し訳なさを感じざるを得ない。とはいえ、僕ひとりではどうしようもないから、ちょっとでも周りに「巻き寿司つくろうぜ」と言っていくしかない。

 ちなみに、もう豆は撒かないし食べない。「齢の数だけ」なんて、一ケタの年齢のときは楽勝だったけど、今ではもう無理だ。親がやっていたように、齢の数を10で割ったもの+下1ケタの分だけ食べる……それはそれで豆が余りすぎるからダメだ。

今回の一汁一菜

2026/02/03分
恵方巻
三つ葉のかき玉汁

丸かぶり用と普通に食べる用で2本も食べるとすっかり満腹になった。昔は3本とか食べていたのに……
かき玉汁なのは我が家の伝統。恵方巻にはこれと決まっているので、味噌汁を合わせられそうな巻き寿司であっても、すまし汁。

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