0010 パンとパスタと、浅煎りコーヒー

百汁百菜

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 パンとパスタと浅煎りコーヒーには、ちょっとうるさい。一家言あるとまではいわないが、その辺のものでは満足しない。ここに並べたものは、正面切って「好き」とはいえないものだからである。言い換えれば、これらのものに対して、何が出てきても許せるというほど寛容ではない、ということである。
 僕はカレーが好きである、というのはこのブログを見てくれたらわかると思うのだが、だいたいどんなカレーが出てきても、僕は受け入れられる。好きの加減が違うだけで、カレーはカレーだからである。ルーで作ったカレーも、北インドカレーも、南インドカレーも、スリランカカレーも、タイカレーも、食堂で出てくるようなメリケン粉でとろみをつけたようなカレーでもいい。ドロドロでもシャバシャバでもいい。甘口はちょっと勘弁だけど、それはそれとして食べるだろう。
 読者の皆さんもこんなふうに、何か好きなものなら貴賎なく受け入れられても、ある特定のものは「ちょっといいもの」でないと受け入れられない、というものがあるだろうか。例えば、ウニやカキなどの海産物は新鮮さと産地にこだわり、スマートフォンやパソコンはちょっと性能のいいものでないとストレスが溜まる……といったふうに。僕はパンとパスタと浅煎りコーヒーがそれにあたる。

 まずパンだが、僕は給食のコッペパンが嫌いだった。当時母は「自分のころよりは美味しくなってるからいいやん」なんて言っていたが、僕は今(その当時)苦しんでいたのである。母の自分本位さに腹を立てたことを思い出す。
 で、何が嫌だったかといえば、そのパサパサ感もさることながら、ご飯ほど口中調味に向いていなかったというのがあるだろう。おかずやスープと食べていても、混ざりきらない、微妙に主張してくる感じが嫌だったのだ。そして、その主張するパンの味が美味しければよかったのだが、どことなく気の抜けた味で、自己主張するならば、もう少し意見を練ってから来い!といった感じだった。それでも、甘納豆入りのパンや、チーズ入りのパンは難なく食べたのだから、調味されていない主食としてのコッペパンが嫌いだったのだろう。
 そんなパン給食が3年生まで週3回続いたものだから、給食の時間は週2回のご飯だけが楽しみだった。4年生ぐらいのときにパンとご飯の回数が逆転して、狂気乱舞したものである。
 それから今になっても、ハンバーグ・ステーキ屋に行ってもパンを選ぶことはまずないし、朝食バイキングなんかでも、調味されていないホテルロールなどは取らない。例外はクロワッサンぐらいなものか。
 それでも歳を重ねて徐々にパンへの敵愾心は薄れていき、「ちょっといいパン屋」のパンなら食べるようになった。だいたい1個200円から300円のもので、「贅沢だ」と思われるかもしれないが、僕にとってのパンがそもそも日常的に食べるものではなく、「贅沢」のつもりだから勘弁してほしい。こんないいパン毎日食べていたら破産する。

100円台からの大衆パン屋でも買ってみたのだけど、どうも満足できなくて、どうせ食べるパンならいいものがいい、と1個上の値段帯を選ぶようになった。気に入ったパン屋も4軒ほどでき、月に1回〜2ヶ月に1回ぐらいのペースでそのいずれかのパン屋に行ってパンを3つぐらい買ってくるというのは、密かな楽しみといえるぐらいにはパンと打ち解けた。ただ、主食パンとの距離はまだ隔たっており、日常食にするにはまだまだ遠いだろう。

 パスタに関しては、たらこ(明太子)スパゲッティ以外は、オイル系、つまりフライパンで炒めたパスタしかほぼ食べない。このブログにもパスタの記事は何個かあるが、だいたいオイル系である。ソースをかけるにしても、手作りのものしか掛けない。パウチのレトルトパスタソース、あれが僕は苦手なのである。
 子供の頃、夏休みなどの期間中、母と2人で食べる昼食に度々パスタが上ったのだが、だいたいが2人前にしては茹ですぎのパスタと、「ナポリタン」のレトルトパスタソース。僕はあのレトルトパスタソースを「ナポリタン」というのは何らかの法に抵触しているのではないかと言いたいぐらいには「ナポリタン」と呼べる代物ではないと思っている。大人になって自分でナポリタンを作ったとき、愕然としたものである。
 デロデロの大量パスタをシャバシャバの「ナポリタン」ソースでかきこむあの味にすっかり参ってしまって、パスタも嫌いになってしまった。

このパスタのレシピは画像をクリック

 それが解消されたのが、大学生になってから。僕が台所の権限を握るようになり、パスタの乾麺量をきっちり量り、塩と水の量も量り、そして、パスタにきっちり味を纏わせるようなオイル系中心にまるっと変えてしまったのだ。これでようやくパスタに対する苦手意識は薄れていったものの、今でも、店のパスタ以外では他人の作ったパスタに少し身構えてしまう。

 最後の浅煎りコーヒーだが、これはもう単純に、酸味の強いコーヒーはちゃんといい豆を買ったほうがいい、という話である。安い浅煎りコーヒーは雑味が多すぎてとても飲めたものではない。雑誌にあった「コーヒーはやっぱり浅煎り」なんて言葉に踊らされてそのへんのスーパーで買った浅煎りを飲んだら雑味の多さに閉口してしまい、「この嘘吐き!」と面罵しそうになったものだが、きちんと店を選んで浅煎り豆を買えば、ちゃんと美味しいコーヒーにありつけることがわかった。そのぶん値段は張るが、きちんと払った分だけの価値はあるように思う。ティーのような軽い飲み口から、コーヒーからピーチや柑橘のような香りが漂うあの無二の感覚は、一度味わってしまうと離れられない。

 と、こんなふうに、「ちょっといいもの」でないと口にしないものについてつらつらと綴ってみた。何が出てきても許せるほど好きじゃないからこそ、逆にこだわってしまうものたちである。本当に好きなものほど雑に作り(0009「ひとりぶんのハンズオフカレー」参照)、ここに挙げたパンとパスタと浅煎りコーヒーのほうがずっと凝ってしまっているという倒錯が起きてしまっているが、これもまた人生の楽しみ方だと思う。

今回の一汁一菜

2025/12/15分

大根菜の焼き飯
ネギとわかめの味噌汁
大根の醤油漬け

チャーハンであっても味噌汁!これは子供の頃からそうだった気がする。
チャーハンのほうに具が入っているので味噌汁の具は控えめ。
ネギとわかめなら中華スープでもいいけれど、この「焼き飯」には味噌汁が似つかわしい。

おススメのコーヒー店

兵庫県下のおススメコーヒー店を2店舗紹介する。本当はパン屋も紹介したいが、思いっきり住んでいるところがバレるのでやめておく。

1.TAOCA COFFEE 鷲林寺ロースタリー(兵庫県西宮市)

TAOCACOFFEE タオカコーヒー 西宮・苦楽園・神戸 | JURINJI
TAOCA COFFEEは兵庫県にある、自家焙煎のスペシャルティコーヒー専門店です。

僕が浅煎りに開眼するきっかけになったコーヒー店。ここのエチオピア浅煎りはちょっと違う。

2.CINEMA COFFEE ROASTERS(兵庫県西脇市)

CINEMA COFFEE ROASTERS[シネマコーヒーロースターズ]
兵庫県西脇市にある“閉館したイタリアの小さな映画館をリノベーション”をテーマにした、レトロで異国情緒漂う自家焙煎珈琲店「シネマコーヒーロースターズ」。

こちらのエチオピア浅煎りもかなりうまいし、「TURN HEADS」という深煎りのブレンドがあるのだが、これが僕のお気に入り。必ず買うことにしている。

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