僕はSpotifyやApple Musicなどの音楽サブスクリプションサービスには加入していない。Amazon primeに入ったついでについてくるprime musicを使うぐらいだ。わざわざ音楽を聴くためにサブスクをしない。そのかわり、聴きたい曲は全て手元に持っている。極力ダウンロード主義なのだ。むろん、違法ダウンロードをしているという話ではなく、買ったCD、借りたCDからの、私的利用の範囲内でのコピーをしたものと、CDが出ていない曲(最近はすっかりデジタル先行で、なかなかCDが出ない)は、AmazonやiTuneなどのMP3ミュージックショップで購入したものである。
偶然の出会い、無限の選択肢よりも、欲しいと思った曲を手元に置いて、何度も聴く。これが僕の音楽との付き合い方である。偶然の出会いというのはラジオのほうに任せている。それはまた今度書くことにする。
最近は図書館でCDを借りてくるのになかなかハマっている。最新の曲なんて、もちろんないかわりに、古くから聴き継がれてきたような名盤が埋もれていたりする。今はジャズのCDを借りて手持ちの曲を増やし、作業中のBGMとしてかけている。裏で流すのではなく、しっかり聴き込みたい気持ちもなくはないが、まだジャズを味わうにはリテラシーが足りない。最近ようやく有名どころの曲名がわかってきた(アレンジされたものでも、特徴的なフレーズで曲がわかるようにはなってきた)ぐらいなのである。とても村上春樹のように咀嚼して味わうような域にはこれからも達せそうにない。
サブスクによって、音楽はさらに「消費」されるモノとしての傾向を強めたようにおもえる。一度聴いてハマらなかったら、それでポイっと捨てて、また次のものを探しにいけてしまうのだ。「途中で聴くのをやめる」という感覚は、あまり僕は持っていないのだが、今では当たり前なのだろうか。今のアーティストはそれを恐れて、一曲の中にドラマティックで、ダイナミックな展開を繰り広げるようになっているという。
何度も聴いているうちにハマっていく「スルメ」的な味わい方はもう難しいのではないか。ヒットチャートの常連曲で、何度も流れてくるうちにハマる……ぐらいのものか。とにかくみんな「咀嚼」をしなくなった。もし内容の深読み、考察が欲しければ、もうすでに誰かが噛み砕いてくれたものに頼る。まるで赤ちゃんのご飯のようではないか。「飲める」ハンバーグなどが登場し、アゴを使わなくても、歯に頼らなくても口の中で溶けていくような、ノンストレスなものが至上とされている時代意識と呼応しているようにおもえる。モノを噛めなくなっているのだろう。
僕は歯の噛み合わせがあまりよくない割には、歯応えのあるものを好み、それ自体が気持ちのよいことだとおもっている節があるから、野菜でもちょっと歯応えがあるとよいし、肉は粗挽きないし、赤身がいい。ご飯はちょっと硬めが好みで、パンはふわふわ溶けるものよりも、ハード系や、高加水の歯にくる食感のものがいい。そのせいか知らないが、ちょっと上の歯の一部分が欠けてしまったのだが……。
少し話が「噛む」方向に進みすぎた。今回は、無限の選択肢を持つよりも、選んだものを手元に置いて、何度も楽しむのが僕のポリシーであるという話である。それは音楽だけでなく、本でもそうだ。図書館でよく本を借りてくるが、これはいいとおもった本は買うことにしている。これも一種のダウンロードとはいえまいか。
僕は買った本にはペンを入れながら読むことにしており、読み返したときには、すぐに大事だとおもったところに辿り着くことができる。読み終わったら売るなんてことは考えていないのだ。また、再読の際に、1回目では線を入れていなかったところが、急に輝き出すということもある。そういった、本を通した自己の編集作業が面白いのである。
喫緊の問題は、本にはリアルの質量があるということだ。音楽のようにざっと画面上にリストが現れて、今日の気分はこれ、というわけにはいかない。なにも汗牛充棟するほど本はないが、持っている本棚では足りず、机の上に積み重なってしまっており、これが作業スペースを圧迫している。ガンプラをたまに組んだりするが、そのスペースは本によって占領されている。それがガンプラを組むモチベーションを下げ、積みを増やすという悪循環におちいっている。そろそろ暖かくなってきたから、DIYの季節である。僕は今使っている机まわりをDIYするぐらいのことはやってきた。いっちょ気合いを入れて、本棚を作ってみようか。進捗があればここに書くかもしれない。

関連百汁百菜
今回の一汁一菜

2026/02/08分
ほうれん草・昆布・鮭フレークのパスタ
冷凍モロヘイヤ・きのこの味噌汁
パスタに味噌汁だっていい。ちょっと和風っぽいパスタだからなおさらである。
というか、和風にパスタを編集してしまった日本人というのはまったく恐ろしい。








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