「カトリ」といっても、慎吾でも線香でもない。
カレー屋、特に南インドカレー屋ではよく見かける、カレーやおかずを盛り付けるステンレスの丸いカップのことである。
大きなターリー皿の上に色とりどりの料理が盛られたカトリを並べた姿は壮観。それだけで気分が高揚するし、何より「っぽく」なる。
家でそれができたら最高だなと思って、このカトリをいくつか買ってみたのだが、あいにく南インドカレーにハマることはなく、数度使っただけで、水屋の肥やしとなっていた。
だが、最近は再び日の目を浴びることとなった。
料理番組でよく見る“アレ”として……
料理番組でよく見る“アレ”
料理番組でよく見る“アレ”とは、調味料やら薬味が小分けにして入れられているガラスの小皿のことである。
分かりやすさと手際の良さを演出するものとして、欠かせないものになっている。
使う調味料が多い料理だと、ズラッと並んだあの小皿の多さに辟易することもあるのだが、調理開始前に、できるだけ使う調味料を出しておきたい私にとっては、少々憧れがあるものだった。
例えば、中華料理は、調理を始めると止まれない。中華鍋を使うときはなおさらである。
だから、調理開始前に、材料も調味料もすべて準備しておかなければならない。
カレーを作るときだって、スパイスや塩をあらかじめキャニスターやビンから出して置いておかないと、うっかり焦がしたり、焦ってスパイスをビンから直接フライパンにふりかけ、ビンの中のスパイスが蒸気で湿気るなんてことも起こりかねない。
それに、料理のレシピをブログに上げている身として、なにより使った調味料の量をはっきりさせておきたいから、あらかじめ小分けにして出しておける、小さいガラスの小皿に憧れがあった。
とはいえ、醤油皿やら小皿である程度代用できていたから、わざわざそれを買うのは先送りにしてしまっていた。
そんな折に、稲田俊輔氏のレシピ本、「ミニマル料理」を読んでいると、材料の小分けにカトリ(のようなもの。違うかもしれないが、金属製の深い小皿なのは確か)を使っている写真を見つけたときにハッとさせられた。灯台下暗し。こんなにも近くに、“アレ”はあったのだ。
丈夫・割れない・軽い
かくして、カトリを料理番組でよく見る“アレ”として使い始めた。
ステンレスだから、丈夫で軽いし、もちろん油汚れも落としやすい。そして何より落としても割れない!
あまり手先が器用でなく、いろいろうっかり手から滑らせる私にとって、ある程度ラフに使っても大丈夫なカトリはとにかく安心して使える。
また、カトリなら食卓にそのまま持って行っても様になる。フチが薄いから野暮ったくないのがいい。
ガラスの小皿なら、キッチンでの調味料入れにしかならないが、応用力の高さがカトリにはある。
私が使っているのは7.5cmと9cmの2種。
結構深さもあって、ネギやみょうがなどを結構刻んでも受け入れてくれるし、合わせ調味料もここで合わせられるぐらいの大きさがあるから、水屋の肥やしだったのはもう昔の話。すっかり重宝している。
調味料や薬味を小分けにしておきたい憧れは、カトリでも満たせます。
カレー皿「としても」使えるから、スパイスカレーを作っている人、興味がある人にはおススメです。
Amazonにもないことはないが、楽天には専門店が出店しているので種類が豊富。
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