【2023/12/3閉業】最初で最後の妙見の森ケーブル&リフトで北極星に近い場所へ

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2023年10月中旬。来る12月3日をもって営業を終了するという妙見の森ケーブル&リフトに乗るべく、まずは阪急電車に乗り込んでいた。

妙見山、といっても日本各地にあるけれど、今回向かうのはその中でも「能勢妙見山」と呼ばれていて、北極星信仰の聖地となっている山。
兵庫県と大阪市の境にあって、能勢妙見山を歩いていると両府県を頻繁に行き来することになる。

正直に言えば、割と近くに住んでいるけれど、特に存在を意識していた場所ではない。夕方の情報番組でケーブルとリフトの閉業について取り上げられていたのを偶然見てようやく意識したといったところ。
それでも、無くなってから「行っておけばよかった」と思いたくないから、最初で最後の妙見の森ケーブル&リフトに乗る妙見山ぶらり旅に出ることにした。

妙見の森フリーパスでGO!!!

能勢電鉄沿線のほか、阪急沿線や大阪モノレール沿線で購入できる「妙見の森フリーパス」があれば、妙見山方面に向かうための能勢電鉄線に加え、妙見の森ケーブル&リフトが1日乗り放題になる。
今回はその阪急版を購入。1,600円という価格だが、妙見の森ケーブルとリフトはそれぞれ往復800円(大人)だから圧倒的得。阪急線も乗り放題だから、買わない手はない。といってもそろそろ終わりなんだが……。

DATA
妙見の森フリーパス(2023/12/3迄)
●能勢電鉄・阪急・大阪モノレール沿線で購入可能
●Web site⇒妙見の森フリーパス(https://noseden.hankyu.co.jp/railway/freepass.html)

川西能勢口駅に到着したら、向かいに止まっている能勢電鉄に乗り換える。こちらも初乗車。もしかしたらこっちも最初で最後になるかもしれない。
阪急と同じマルーン色の列車だが、カーテンに風景が描かれたり、能勢電鉄らしさが加えられているのが印象深い。

初めての能勢電鉄にしばらく揺られていると、妙見口行き電車に乗り換える山下駅に到着した。私が阪急によく乗っていたときは直通電車があったような……?と調べてみると、妙見口への直通電車はほとんど無くなってしまったようだ。

妙見口駅到着

妙見口駅に着くと金木犀の香りに出迎えられた。平日だし、山下-妙見口駅の電車に乗り込んだ人はそんなに多く見えなかったが、電車からはぞろぞろとハイキング装備に身を包んだ行楽客が降りてきた。
この日は風が吹けば涼しいが、日差しをモロに受ければ汗が滲むような天気。あんまりにも軽い気持ちとラフな服装で来てしまったので今後が思いやられた。

妙見口駅から出ると、私はすっかり勘違いしていたことを思い知らされる。
私の想像では、妙見口駅からケーブル乗り場たる黒川駅までの道は整備されていて、沿道の土産店や飲食店から手厚い歓迎を受ける……と思っていたのだが、思いっきり肩透かしを食らった。

駅前にちょっと店があったら、あとは細い田舎の道を歩いて黒川駅を目指す。生活道路にもなっていて、車通りもそれなりにあるので注意が必要。
あまりこんなこと言いたくないが、ケーブル&リフトが今際の際に追い込まれてやっと人が来るような場所なのだから、元々登山口だからというのを加味しても、そりゃあ賑わいも何もないよな……と。

軽く首筋に汗を流しながら20分ほど歩き、ケーブル乗り場の黒川駅に到着。さすがに閉業を控えているので平日でも客が多い。前のケーブルは満員御礼で予定を早めて出発していった。
次のケーブルに乗るべく並び始めると、職員の方と行楽客で会話が交わされ始めた。

その会話によると、土日は黒山の人だかりで、平日の比ではないぐらい人が殺到しているという。私も見ていた夕方の情報番組で兵動さん(矢野・兵動)が来たあと、NHKで取り上げられて火がついたとのこと。
あまりに人が来すぎるからTVの取材はその後断っているらしい。
職員の方は「もっと普段から来てくれ!」と冗談めかして仰っていたが、本当に返す言葉もない。

ちなみに、ケーブルとリフトに乗るためには、「妙見の森フリーパス」裏側の日付記入欄に油性ペンで日付を書き込んで職員に見せないといけない。私はその日ペンを持っておらず、妙見口駅を降りたところにある観光協会でペンを借りた。
そういうことはもっと分かりやすく公式サイトにも書いておいて欲しかったが、最初で最後なので文句を言っても仕方ない。

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ケーブルは満員御礼

しばらく待っているとケーブルカー『ほほえみ号』が降りてきた。「さよなら」と書かれたヘッドマークが掲げられており哀愁を誘う。皆一様にカメラやスマホを掲げて写真を撮影していた。

ケーブルカーにはぎゅうぎゅうに客が押し込められ、予定時刻を早めて出発。平日でもこんなにピストン運行なのだから、土日はいかほどか想像するだけで恐ろしい。皆さんも土日に行くのはやめたほうがいい。
ガタガタと揺れる車内。落ちる心配はしていないが、老朽化は感じずにいられない。進行方向と後ろ向きに座ったから、背中から吸い上げられるように山を登った。

山上駅に着くと、ここから少し山を登る。木々に囲まれて陰になっているから涼しくて助かった。
坂道はまあまあ急。妙見口~黒川まで歩いてさらに歩くので、ちょっと堪える。が、ふれあい広場に着いて眼下の北摂の山々を見れば疲れも吹き飛んだ。妙見の水を飲んで一休みしたら、リフトに乗ってさらに山を登る。

山上駅からふれあい広場までのいろは坂
ここの水は飲める

リフトで時を忘れる

最後にスキーをしたのが高校の修学旅行だから、もう10年前。それ以来リフトに乗っていない。銀世界でなく緑の山を登るリフトというのはどんなものだろう。
スキー板がないから、えっさほいさと必死こいて乗り場に歩くこともないのが新鮮だった。

体重をリフトに預け、10分間の宙づり移動が始まった。スキー場のリフトとは違い、落ちても死なない高さなので安心して乗れる。これは下りも乗れるリフトだからだろう。

リフトにひとたび乗れば、耳に入るのは虫の鳴き声、リフトの駆動音、たまに飛行機の音。丁度良い環境音の中、ゆったりとした時間が流れる。
仕事をするならこんな環境がいい。絶対に捗る。

あまりに理想的な環境すぎてもはやここに住みたくなったが終わりはやってくるもの。足形に合わせてひょいと降りる。
そこからは能勢妙見山の本堂を目指して砂利道を登っていく。木陰の中を歩くから涼しくて気持ちよい。ただ、道の崖側があちこち崩れかけているから転ばないように注意したい。

北極星信仰の聖地へ

木々の中を抜けると、神仏習合時代の名残で未だそびえる鳥居がお出迎え。
一応一礼してから下をくぐる。
するとガラス張りに金と黒という絢爛な建物が見えてきた。
「星嶺」という礼拝堂らしいが、宗教施設らしからぬモダンな佇まい。中はスケスケでいかにも入れそうな雰囲気だが、今は行事の時しか入れないらしい。残念。

どこが大阪でどこが兵庫かもう分からん

そこから少し歩けば本堂に着く。「妙見の森フリーパス」付録の優待クーポンを使って「開運お守り札」のシールをもらった。
あまり信心は深くないが、北極星信仰というのは稀だし、ここまで来たのだからお参りして帰る。
帰りは裏のルートで。緑に囲まれてこちらの道も歩いていて気持ちよい。

DATA
日蓮宗霊場 能勢妙見山
●大阪府豊能郡能勢町野間中661
●TEL:072-739-0991
●Web site⇒北極星信仰の世界的聖地|日蓮宗霊場 能勢妙見山(https://www.myoken.org/)

そういえば、「三角点」を見ていなかったと思い、再び参道を登る。
あまりにも急な坂道を登った先にあったのは……

これ?そっかぁ……

能勢妙見山の境内を後にし、下りのリフトに乗る。何気に下りのリフトに乗るのは初めて。スキー場でしか乗ってなけりゃそりゃそうか。

下りも相変わらず静かでゆったりとした時間が流れる。これが12月でもう乗れなくなると思うとやはり寂しい。というわけで降りたらすぐに乗り場に移り、2回目のリフトを楽しんだ。

ふれあい広場に戻ると、皆ベンチに座ったりレジャーシートを広げてお弁当タイム。
ああ、ここで食う弁当は絶対美味いに決まってる。おにぎりでも握ってアルミホイルに包んで、弁当をこしらえてくるべきだったと激しく後悔した。

北極星入口駅

ふれあい広場には展望台があり、そこには駅があるらしい。それを確かめるべく登ると、確かに駅があった。そして空に向かって伸びる線路。この先に北極星があるのだろうか。ここから飛び出す列車は汽車の形か、それとも。

展望台を下りると14時を回っていた。見たいものはだいたい見てきたし、そろそろ帰路につくことにした。
その前に、山道の上り下りで疲弊した足を癒すべく、足湯に浸かる。「妙見の森フリーパス」のクーポンを使えば無料で入れる。

帰りのケーブルもとにかく人がいっぱい。
行きのケーブルで見かけた人と何人も出くわした。だいたいみんな滞在時間は一緒のようだ。

ケーブルカーのすれ違い

最初で最後の妙見の森ケーブル&リフト乗車体験を終え、妙見山を後にした。
妙見山自体は最初で最後と思っていないが、ハイキングの趣味ができない限り来ないだろう。それまではさよなら……

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おまけ:日生中央に寄っていこう

まだ14時を過ぎたところだし、能勢電鉄・阪急乗り放題なので、あちこち回って遠回りで帰ることにした。まずは山下駅で分かれたもう一つの終点駅、日生中央駅へ向かった。

「妙見の森フリーパス」のクーポンを使い、「ブランジュリー ラボンダンス」さんでパンをお得に購入。おやつの時間だが、これが遅めのランチ。
クロワッサンは丁度焼き立てで、サクサクもち甘。最高のタイミングだった。

DATA
ブランジュリー ラボンダンス
●兵庫県河辺郡猪名川町伏見台1-1-71 ミュー日生中央 103号
●TEL:072-767-3379
●Web site⇒ブランジュリー ラボンダンス(のせでん沿線情報 URL:https://noseden.hankyu.co.jp/guide/spot/life000138/)

その後は川西能勢口へ戻り、次は十三(じゅうそう)を目指す。
学生時代は毎日のように通っていたときがあるが、すっかりご無沙汰で、実に6年ぶりぐらいに訪れた。

十三の町中華で早めのディナー(1回目)

十三駅から伸びる商店街をチャリを避けながら歩くこと10分ほど。
「彩飯(サイファン)」さんに到着。某ランチブロガー氏の記事を読んで、なんだか町中華が食べたい気分だった。

注文したのはカレー飯と焼き餃子。
本来交わらなさそうなのに、中華風のカレーの旨さといったら本当になんなんだろうか。餡に入った玉ねぎとにんじんが割と大事な仕事をしていた。

焼き餃子は皮モチモチで旨い焼き加減も絶妙。そんで自家製ラー油がとにかく旨い!マストで注文したい一皿。

DATA
彩飯(サイファン)
●大阪府大阪市淀川区十三元今里2-21-24
●TEL:06-6886-4024
●Web site⇒ 彩飯 (食べログ URL: https://tabelog.com/osaka/A2701/A270302/27081381/)

彩飯さんを出ると17時前。なんだかまだお腹に入りそうだ。
このあたりで評判の「桐麺」さんに行くことにした。

店前に着くと17時半から並べるということで、それまで十三の街をブラブラ歩いた。
なんだか春っぽい気温と大阪の雑多な空気が、新入社員の頃を思い出させた。

麺とタレと卵だけのストロングスタイル麺を啜る

待ちに待った17時半。誰も待っていなかったのでPP(ポールポジション)を確保。これから18時の開店までさらに30分待つわけだが、桐麺さんといえばのアレを食べられるのなら、そんなもの全く気にならない。

アレとはそう、桐玉。
麺とタレと卵だけのストロングスタイル。よっぽど麺に自信がないとこんなことできない。

タレはパキッとした塩分で麺の啜りを加速させる。存分に麺を愉しむなら1.5玉は必須。麺だけ食べてるのにそれを感じさせない圧倒的旨さと満足度。
創業者の方が新たに立ち上げた兵庫県加西市のお店にも行きたいなぁ。

DATA
中華そば 桐麺 総本店
●大阪府大阪市淀川区十三本町2-1-6
●TEL:06-6309-8865
●Web site⇒中華そば 桐麺 総本店(食べログ URL:https://tabelog.com/osaka/A2701/A270302/27097422/)

このように、妙見山でご飯を食べなかったからといって15時からの3時間のうちに3連食してしまった。妙見山と十三を歩き回ったからいいよね?

十三駅から座席に座るのは絶望的だと知っていたので、一旦大阪梅田駅に行って座席を確保し、ゆっくり帰ることにした。

妙見山のぶらり旅を終えて

妙見口駅前を見て軽く絶望したが、ケーブルを登ってからは景色といい、リフトといい、自然環境といい素晴らしい体験が待っていた。
ケーブル&リフトの閉業後はフラっと行って自然を味わい、サッと帰る……みたいなライトな行楽ができなくなるのは寂しいところ。
もっと早く気づいて、もっと行っておけばよかった。
行かずに後悔することはなかったが、行って後悔は少し残ってしまった。そんな旅だった。

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