おでんはご飯のおかずにならないという意見もある中、僕も正直おでんにはビール、ないし日本酒のほうがいいと思っている。それでも、日本酒に合うのならば、ご飯に合わないはずもなく……一体何がご飯とおでんを隔てているのだろうか。
煮物か鍋かスープか、それぞれのあわいにいるともいえるおでん。具材を煮込んではいるものの、煮しめてはおらず、鍋というには具材一つ一つがはっきりしていて、スープというには、汁が甘すぎる。その輪郭のなさがご飯と合わせたときにしっくりこないのではないか。確かによく味の染みた大根は頬が落ちるほどうまいが、ビシッと締まった味わいというより、ほっとしていてしみじみ来るうまさであるから、そこに酒を染み込ませていくのがちょうどよい。ご飯で追いかけるよりも、じっくり噛み締めていたい。じっとしていたい味のように思える。
だから、おでんとご飯を合わせる際は、ご飯側に味をつけてしまおうということになって、おでんの茶飯(お茶で炊くほうではなく、おでん出汁ないしは醤油と出汁で炊くもの)になっていくのだろう。さて、この日の夕餉は昨夜のおでんの残りだが、一人だけの食卓なので、酒を呷る気にはなれず、ご飯を食べることにした。おでんとご飯だけでは、なんだかな……と思い、味噌汁をつくった。具はレタスだけの軽いもので、水と鰹節と味噌でさっと煮たものだ。
レタスにしたのは、日にちが経って甘くなったおでん汁をさっぱりとさせる意味合いもあるが、「おでんにレタス」をやった余りを使ったからだ。レタスの香りが出汁に入ってしまうのを防ぐために、別鍋におでん出汁を取り分け、レタスをさっと煮て汁ごといただく……これがほっくり系で固まりがちなおでんのよい清涼剤となって、中盤ぐらいに食べるとなんとも具合がよい。そんなレタスをこの日は味噌汁に入れて、その役割を期待したのだ。
おでんを一口食べてからご飯。もちろん悪くないが、そこに味噌汁が入ることでウンウン唸る味のトライアングルが完成する。味噌汁がビシッと決めつつもレタスがさっぱりさせてくれるから味のメリハリがついて、おでんの優しさを甘んじてご飯で受け止めることができる。おでん種を食べ切ったら、最後におでん出汁をご飯にかけてインスタント茶飯にしてフィニッシュを迎えた。
今回の一汁一菜

2025/12/07分
昨夜の残りのおでん
レタスの味噌汁
一杯分の味噌汁を作るときは、いつも茶碗で計った水、具材、半つかみぐらいの鰹節、味噌で作る。鰹節はそのまま具の一つとして食べる。
おでんの大根は畑から採ってきたもの。とても瑞々しく、煮るととても柔らかい。

参考
・東京おでんだね「おでんの茶飯・とうめしの作り方」https://odendane.com/oden-chameshi/



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