Takumi Hasegawa

百汁百菜

0062 そういえば、ふりかけ食べてない

一汁一菜生活の中にあっても、なかなか食卓にのぼってこないのが「ふりかけ」である。ここでいうふりかけとは、海苔やおかか、ゴマ、そして玉子、鮭、わかめなどを乾燥させたご飯がススム、あれのことである。また自家製ではなく、買ってきたものの話をしたい...
百汁百菜

0061 無欠はドラマを生み出さない

月がいつも満ちていたら、誰も月に想いを託して歌など詠まなかっただろう。恒常、円満、具足、無欠……これらに「もののあはれ」は宿らない。 鈴木大拙は平安宮廷文学のこのようなところを、涙に濡れてばかりで骨がないと批判した。鈴木は仏教者だからこそ、...
百汁百菜

0060 生きるために「キル」する

家庭菜園をやるようになってからというもの、チョウやガを見ると「うっ」と身構えるようになり、ミミズを見ると親しみを抱くようになった。畑・家庭菜園におけるチョウやガ(以後、鱗翅目りんしもく)の幼虫はたいてい害虫であり、駆除の対象となる。一方で、...
百汁百菜

0059 七年間床屋に行っていない男

私信:季節の変わり目か、久しぶりにしっかり体調を崩してしまい、数日お休みしていましたが、徐々に再開していきます。一応これまで月〜金の週5回更新でやってきていましたが、これからは少し崩すこともあるかもしれません。  気づけば7年ぐらい、床屋に...
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0058 世界の切り方③:服が切り取る、僕らの身体

子どもの頃から学生時代にかけて、水泳が一番長く続いたスポーツであったが、そこで水着でいるのにすっかり慣れてしまい、人前で上裸でいることの恥ずかしさはあまりない。太っていた時期はさすがに嫌だとおもっていたが、また痩せたので、今でもたぶん平気だ...
百汁百菜

0057 世界の切り方②:自分のスクラップブック

僕は子どものころ、いい年頃になったら「なりたい自分カタログ」のようなものが自動的に編纂へんさんされていって、その通りに生きていくのかなとおもっていた。子どもの頃の夢なんてものは特になく、小学校で言わされた将来の夢は「野球選手」。でも、僕は野...
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0056 世界の切り方①:多数派/少数派の基準

大学のころ、僕は心理学を学んでいたのだが、そこで「社会」の最小単位が心理学と社会学では違うんだ、というようなことを聞いたことがある。心理学では、あなたとわたしの関係があれば「社会」が成立するので、「社会」の最小単位は2人であるとするが、一方...
百汁百菜

0055 「生きるために〈それ〉を切る」

「コノミ、今日も食べないのかい」「うん、わたしいいの」「でも、食べないと大きくなれないよ」「わかってる。でも……」 コノミとお父さんの住まう国では、毎日〈それ〉を切って食べて暮らしています。毎日伸びる〈それ〉はみんなの大事な栄養源。人々は〈...
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0054 短気は損気、キレるのは損?

ここ数年、いちいち何かにキレるのが面倒というか、しょうもないとおもいはじめた。怒りの力はマイナスなものばかりにおもえるが、怒りには場をコントロールする力があるし、自身の頭の回転も早くなるほか、強い衝動に駆られて普段なら起こせない行動にも出ら...
百汁百菜

0053 見得を切る仏像たち

歌舞伎の「見得」は不動明王や仁王像のポーズを取り入れたものであるといわれている。そのポーズのもとになったのはやはり鎌倉時代からの仏像であろう。飛鳥期に顕著だった、スラリと伸びた手足や胴が優美な曲線を描く仏像とも、白鳳〜天平期にあらわれた、豊...
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