ああ、今集中力が切れたな、とおもったら一息入れたほうがいい。僕はあんまり集中力が長持ちするほうじゃないから、しょっちゅう一息入れていて、一息どころかハアハア息を荒くしているぐらいである。そういうときは何か飲んだり、軽く食べたりするに限る。僕はジュースの類はほとんど飲まないので、こういうときにはコーヒーか、紅茶か、日本茶を淹れて、軽くお菓子をつまむ。数年前までは「チルアウト」なる“逆エナドリ”をうたうリラクゼーションドリンクを飲むようなこともあったけど、あれもちょっと高くなったし、甘いものは飲み物よりも食べ物で摂りたい、ということになって、今ではコーヒーか、茶を飲むことにしている。
とくにコーヒーはここ5年ぐらいでかなり入れ込むようになって、豆を挽いてから淹れるのがほとんどである。昔は深煎り一択!ぐらいにおもっていたのだけど、今では浅煎りの美味しい店を見つけたから、そこでエチオピアの浅煎りを買うことにしている。コーヒーなのに果実味があふれていて、酸味にイヤミがないものは飲むたびに毎度感動できる。しばらく前にも書いたけれど、浅煎りコーヒーは値段帯でとくに差が出やすいので、これだけはちゃんとした店で買うことにしている。
とはいえ、スペシャルティコーヒーばかり飲んでいてはもちろん破産するので、無印良品のコーヒー豆を日常飲用にしているのだけど、YouTubeでも人気の世界一のバリスタが言うように、かなりクオリティと値段のバランスがよいとおもう。昔は深煎り派だったので「ダークテイスト」にしていたけど、今はもっぱらその世界一のバリスタの受け売りで「ミディアムテイスト」を飲んでいる。ホットでもアイスでも両方いけるのが嬉しい。
豆は財布とも相談して、高すぎず、安すぎずの丁度いいグレードのものを集められたとおもう。あとはどう飲むか、という問題だ。道具は凝り始めたら果てしないので、ここは経済性第一に選んだ。
浅煎りも中煎りも深煎りも飲むから、ミルは2つ用意して、「浅煎り・中煎り用」と「深煎り用」に分けている。いちいちミルの挽き目をいじるのが面倒だからである。


湯を注ぐのはニトリのドリップカップ。湯口が細いケトルをわざわざ買うとなればかさばるなあとおもっていたら、丁度いいものがあった。これに一旦湯を移して注ぐことになっている。ちょっと温度が下がるが、かえってそのほうが丁度よいこともある。
そしてドリッパーなのだが、これはとても紹介できないほど安いものを使っている。正直ここが一番の沼であり、一度足を突っ込んでしまうともう抜け出せなくなってしまうだろうから、まだ浅瀬でチャプチャプ遊んでいるような状態である。ドリッパーを選ぶということは、フィルターのランクも選ぶということになり、今の僕の懐具合では、長く使う道具にはお金を出せても、使うたびに積み重なってくる消耗品代にとても高い金額は払えない。サブスクの無料体験と同じで、一度快適さを味わってしまえば引き返せないだろうから、まだドリッパーは妥協している段階である。
で、結局は何を使ってコーヒーを飲むか、という問題である。適当なグラスやカップではなく、ここはちゃんとしたものを選びたい。実際に口に触れるものであり、コーヒー体験のゴールに密接にかかわるものだから、自分の納得いくものを使いたい。僕はここで「色気」があるかどうかを重視する。使っていて気持ちがよいのはもちろんのこと、ただ便利なだけでなくて、指にぴたりと吸い付いたり、唇に当たってなお柔らかさを感じるような、官能を刺激するようなものを選びたい。

そこで僕は、まずホットコーヒー用には、丹波立杭焼のカップを選んで使っている。「日本六古窯」にも数えられる丹波立杭焼だが、その素朴ながらも力強い造形と、深い色合いは、決してコーヒーを派手に彩ることはないが、それがかえってコーヒーとともに過ごす時間へと集中させてくれるのがいい。その造形に惚れているのというのはもちろんだが、なんといっても比較的近所で作られている、というのが一番である。いくらでも遠方から優れた品を取り寄せられる現代にあって、近くにある優れた品への目線はついつい抜け落ちてしまうものだからこそ、僕は丹波立杭焼を選んでいる。ひとつひとつ手にとって、指にしっくりくるかどうかを確かめてから購入したのがこの4つのコーヒーカップである。最近は取り回しのよい、ソーサーのついていないカップを使うことが多い。一息入れるのに、カップとソーサーの扱いで神経を使いたくないというのが理由である。


アイスコーヒー用には、あの青いボトルが目印のサードウェーブコーヒーショップで使われていたグラスを選んだ(少なくとも2年前は使われていたが、今はどうかわからない)。梅田の例のサードウェーブコーヒーショップに行ったときに、このグラスでアメリカンのアイスを供されたのだけど、使い心地のよさと、そのシャープな造形に一目惚れして、同じものを探して買い求めている。昔の仕事のクセで、気になった食器はとりあえず底を見ることにしていて、そこから商品を特定できた。
かなりの薄造りで、今にも割れてしまいそうな儚さを感じさせもするが、手にとってみると結構頑丈なので、安心して使える。そりゃあ、飲食店での使用にも耐えうるものでないと、あのコーヒーショップでも採用されたりはしないか、という話である。

コーヒーだけでなく、冷茶を淹れてもなかなかゴキゲンなグラスで、これは本当に買ってよかった。このグラスに入れるだけでドリンク体験がずいぶん向上するのを感じている。
と、まあこんな感じで一息つくときに使う道具たちの話をつらつらとしてきた。正直ここに書いたようなものはあってもなくてもいいようなものだけど、一度立ち止まって、また次の作業にとりかかるための短い時間だからこそ、自分が思ういいものを使ってしっかり英気を養いたいものである。自分で自分の機嫌をとるための道具は、「なんぼあってもいいですからねー。」
関連百汁百菜
今回の一汁一菜

2026/04/01分
茹で鶏・ブロッコリー(自家製)・ぶなしめじのカレースープ
パン2種(バジル・チーズ・ハムの揚げパン、枝豆入りベーコンエピ)
茹で鶏を作ったときに残ったスープにカレー粉を加えてカレー風味のスープに。
好きなパン屋の前を久しぶりに通りかかったので珍しく夕食にあてた。







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