【レビュー】ハウス食品『クロスブレンドカレー』は本当に「スパイスフル」なのか?

レビュー

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「家のカレーがスパイスフルに」

という謳い文句のハウス食品『クロスブレンドカレー』
そして、このブログの名前は『スパイスフルライフ』

「これはレビューしないわけにはいかない!」ということで、買って作って、食べてみた感想をお伝えします。
一応、公平を期すために申し上げますが、私は元々カレールーは「ハウス派」です。なのでそのあたりのバイアスがかかっていることを念頭に置いてお読みくだされば幸甚です。

『クロスブレンドカレー』は「スパイスフル」なのか?

早速ですが『クロスブレンドカレー』を食べた上での結論です。

・確かにスパイスはたくさんの種類が入っており、
 複雑な香りを愉しむことができるという意味では「スパイスフル」。
 ただし、スパイスの種類を増やしたカレーの宿命として、
 特定のスパイスが香り立つ、ということはありません。

・スパイスの配合は「爽やか」と「ややビター」な印象。
 大人を満足させつつ、子どもがちょっと背伸びして挑戦したい!という需要を満たしていると思います。

・「広がる旨み」に関しては文句なし。
 個人的には濃厚な旨みを求めているわけではないので、過不足ない感触。
 とはいえ、「足りない」と感じる方もいるとは思います。
 好みで加える余地がないわけではありません。

・食後感がさっぱりしています。
 ルーのカレーにありがちな、食後、腹にズシンと響く感じ……
 この『クロスブレンドカレー』ではあまり感じませんでした。
 まったり、まろやか、コクのある味わいというよりは、
 サラリと食べられる感じが所謂「スパイスカレー」に近く、好感触。

それぞれのポイントについて解説していきたいと思いますが、その前に、まずは箱をチェックしていきましょう。

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『クロスブレンドカレー』の箱をチェック

青と金の高級感溢れるパッケージ。その割には意外と安く、近所のスーパーでは『こくまろカレー』と『ジャワカレー』の間ぐらいの値段(税込みで200円いかないぐらい)。

最近辛口が発売されたようですが、まだ近所のスーパーには行き渡っていないらしく、中辛を購入。辛口には青唐辛子が入っているということで、そのシャープな辛さに期待が膨らみます。見かけたらぜひ買ってみたいですね。

さて、箱の上のほうにはスパイスの写真で「使ってまっせ~」「こだわってまっせ~」とアピール。
左から、「カルダモン」「コリアンダー」「ブラック&ホワイトペッパー」「クミン」「クローブ」です。クミンのところが(たぶん)なのは、似た形のスパイスがほかにあるからです(キャラウェイとか)。のちに原材料欄を見ますが、それを見る限り、クミンでよいと思います。

さて、ひっくり返して裏を見ます。作り方は……まぁいつも通りですね。
ルーによって微妙に具材と量が変わっていることがあるので、一応読んだほうがいいです。
最近「はちみつを入れる場合」の注意書きが追加されていますね。ゆるゆるになっちゃったって問い合わせが多かったんでしょうね。

さてお待ちかねの原材料欄です。
使ったスパイスの種類を誇るがごとく、スパイス&ハーブ名が織りなす長蛇の列。
どれがなになんだか、目が回ってきそうです。

食品の表示について詳しくないので、これらを「香辛料」で括っていいのかどうかよく分からないんですが、括らずにずらりと並べることで「こんだけスパイス入ってるよ!」とアピールできるからこうしてるんでしょうか。詳しい方いらっしゃれば教えてください。

さて、カレーパウダーに次いで記載されているスパイスは、アニスやフェンネル、セロリシードなどなど。これは「爽快感ある香り」が期待できます。また、セロリシードは顕著なのですが、ほろ苦さを持っているので、ややビターで大人な印象も期待できます。

後ろのほうにはディル、セージ、オレガノ、タイムなどハーブが名乗りを上げます。ルーのカレーでハーブか!と少し驚きました。
そして、最後のほうにカルダモン。パッケージの表では一番手を張っていたのに、ここまで後ろなのか……?ま、少量でもしっかり香る&コストの問題(カルダモンはめっちゃ高い)ってことで少ないんでしょうけど、ちょっとこれは惜しいかなぁ。

辛味順位表をチェック。
中辛で3なので、まぁ普通ぐらいでしょうか。

ここでちょっとビックリしたのが、『バーモントカレー(辛口)』と『ジャワカレー(甘口)』が同じラインにいるということ。いや、バーモントカレーどんだけ甘いねん!そんで、ジャワカレーどんだけ辛いねん!

ルーを開封。
香りをかいでみると清涼感あふるる香りがスッと鼻を抜けます。
また、ルーにはスパイスのものと思われる粒感を確認できます。さて、どんなカレーになるのか楽しみです。

『クロスブレンドカレー』を作って食べよう!

最初に作ったとき、にんじんの手持ちがなかったのと、早めですが夏野菜が出始めたので、夏野菜カレーとなりました。

では、実食。

一口食べてみると、確かにスパイスは清涼感寄りの調整で、ズンと重く響く香りというよりはスーッと引いていく感じです。とはいえ、ゆっくり噛み締めないと分からないかなぁ。これは私がパッケージの印象と「スパイスフル」の謳い文句から期待しすぎただけかもしれません。

あとから『クロスブレンドカレー』のブランドサイトを見たところ、たくさんのスパイスが織りなす複雑な香味を志向しているとのこと。
なので、「特定のスパイスの香りが特徴」というわけではないんですね。
そういう意味では、確かに他のルーと比べて複雑な香味があって「スパイスフル」といえると思いますし、どんな香りにしたいのか(この場合「爽やかでちょっとビター」)という方向性はしっかり感じます。

余談ですが、スパイスはいろんな種類を混ぜれば混ぜるほど、複雑で、かつ円みのある香りになっていきます。その裏返しとして、スパイス単体の特徴的な香り(クセやトゲともいう)はいろんな種類を混ぜれば混ぜるほど鳴りを潜めていきます。
よく「スパイス何十種使用!」をコダワリとしてアピールするお店や商品がありますが、あれは要するに、「スパイス単体が持つクセやトゲのある香りを抑えた、大衆向けの複雑な香味のカレーですよ」と言っているようなものです。それを好意的に捉えるかどうかは、「あなた次第です!」

また、公式のブランドサイトを見るに、「大人も子どもも同じルーで」というのも志向している様子。
そういえば、私が子どもの頃、親がカレーを作ってくれたとき、野菜と肉を煮込んだ後、大人用と子ども用に鍋を分けてそれぞれ別のルーを溶かしていた記憶があります。
でも、それってかなり手間のかかることですし、できれば一つの鍋で完結させたいですよね。

しかし、そうなると問題が発生します。
子どもに合わせると大人の舌には物足りないカレーになり、大人に合わせると子どもには刺激が強かったり、まろやかさが足りなかったり……
その間隙を突くのが『クロスブレンドカレー』というわけですね。
やっぱり子どもも大人も同じルーがいいですよね。大人としては手間が省けるし、子どもは年頃になってくるとちょっと背伸びしたい。かく言う私も小学4~5年からは同じルーのカレーをねだるようになりました。

爽やかで複雑なスパイス感で大人が満足しつつ、「新しい味に挑戦したい」「ちょっと背伸びしたい」っていう子どもでも無理なく食べられる味ということで、バーモントカレーやこくまろよりはやや大人向けの味に感じます。特にまろやかさは控えめになっている印象。

そのおかげか、ついついバクバクいっちゃいます。食べたあとあまり重い感じがしないのは新鮮ですね。
寝かせた2日目も比較的ライトな印象。これを「厚みがない」と見るか「軽やかに食べ進められる」と見るかはあなたの好み次第。私はあまり濃厚さやまろやかさを求めていないので、好意的に捉えています。

数年前、私がスリランカカレーを振る舞わせてもらう機会があったとき、そのカレーを食べてくださった壮年の紳士が、「ルーのカレーとかコ〇イチのカレーは重くて次の日もたれるから食われへんねんな~」と仰っていましたが、もしかしたらこの『クロスブレンドカレー』の軽やかさなら食べられるかも……と思ったり。

というわけで、最初のほうで述べたハウス食品『クロスブレンドカレー』についての感想を再掲します。

『クロスブレンドカレー』感想まとめ

・確かにスパイスはたくさんの種類が入っており、
 複雑な香りを愉しむことができるという意味では「スパイスフル」。
 ただし、スパイスの種類を増やしたカレーの宿命として、
 特定のスパイスが香り立つ、ということはありません。

・スパイスの配合は「爽やか」と「ややビター」な印象。
 大人を満足させつつ、子どもがちょっと背伸びして挑戦したい!という需要を満たしていると思います。

・「広がる旨み」に関しては文句なし。
 個人的には濃厚な旨みを求めているわけではないので、過不足ない感触。
 とはいえ、「足りない」と感じる方もいるとは思います。
 好みで加える余地がないわけではありません。

・食後感がさっぱりしています。
 ルーのカレーにありがちな、食後、腹にズシンと響く感じ……
 この『クロスブレンドカレー』ではあまり感じませんでした。
 まったり、まろやか、コクのある味わいというよりは、
 サラリと食べられる感じが所謂「スパイスカレー」に近く、好感触。

コンセプト上、中途半端になりそうなところですが、上手くまとまっていると思います。
スパイスの香りをどこまで出していいのか?市場はそれをどれだけ受け入れてくれるのか?子どもも食べるであろうカレールーでどこまでやれる?それを探るための商品にも見えます。
皆が私みたいなスパイス好きではありませんからね。

各社慎重に、しかしながら、にじり寄るようにジワジワとスパイス感を押し出した商品を市場に投入しています。その過渡期にあるルーとして、確かにこれまでのとは違う食後感がありましたから、これからのカレールーにも期待ですね。

*****

これまでのカレールーのレビューも併せてご覧ください。
また、最後におまけコーナーとして、『クロスブレンドカレー』をさらに「スパイスフル」にするアレンジ案を掲載して終わります。ぜひ最後までスクロールしてご覧ください。

その他カレールーのレビュー

↓管理人激賞!これまでのルーで一番好きな『ジャワカレースパイシーブレンド』。

↓クミンシードとカレールーのミクスチャーをどう捉えるか、それが問題。

おまけ:『クロスブレンドカレー』をもっと「スパイスフル」にしよう

私としては好印象な『クロスブレンドカレー』ですが、物足りなさがないと言えば嘘になります。
やっぱりパッケージの上面でアピールされているスパイスの香りが欲しい!ということで、カルダモンとクローブを追加するのがおススメです。また、もしお持ちならば、セロリシードを加えてみるのも良いでしょう。油と馴染むとまさにセロリを炒めたときのような香味が立ちます。

もっとスパイスフルになった『クロスブレンドカレー』の作り方

【材料(1/2箱分)】
箱裏のレシピ通りの『クロスブレンドカレー』に以下のスパイスを追加する

・セロリシード・・・・・・0.5~1g

・カイエンペッパー・・・・2g(小さじ1)~
 中辛で満足できない場合に加える
・クローブパウダー・・・・0.5g(約小さじ1/3)~

・カルダモンパウダー・・・0.5g(約小さじ1/2)~

1.具材を炒め始める前に、冷たい油にセロリシードを入れて火にかけ、香りを立たせる。

2.具材を炒めて油が回ってきたら、カイエンペッパー(辛さをもっと加えたい場合)とクローブパウダーを入れてさらに炒める。

にんじんとじゃがいもはレンチンしたほうが吉
豚肉が硬くなるのイヤなので、最後に炒め合わせてます

3.水を加えて15分煮込み、にんじん、じゃがいもに串がスッと通る柔らかさになっていれば、火を止めてルーを溶かす。
そこからさらに10分煮込む。このとき、煮込み時間が残り2~3分になったら、カルダモンパウダーを入れてひと煮立ちさせておく。

煮込んでいるときからもういい香り!

やっぱりカルダモンの香りが最高!
高いけど、持っていて損しないスパイスです。スーパーのビンのものでもいいですし、ホールを買ってきて、すり鉢で潰して入れるとさらに強い印象を残す香りに(緑のサヤは取りましょう)

カレールーの中にもいろんな香りが封じ込められていますが、やっぱり後入れスパイスのフレッシュさには敵わないところがありますね。
『クロスブレンドカレー』をさらに大人向けな方向に伸ばしてみたい方はぜひお試しください。

ここまでご覧いただきありがとうございます。

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