はじめに
「スパイスを買ってみたいと思うけど、何を買えばいいのか分からない」
こんにちは。ハセガワタクミ(カルダモン26)です。
先日、私が作ったカレーとスパイス料理を振る舞う機会があった席で、このようなお悩みを聞きました。
また、「スーパーのスパイス売り場に行っても、ビンがズラっと並んでいて、何がどれだか分からない」ともおっしゃっており、私は「確かにそうだ!」と思いました。
人はあまりにも多くの選択肢を一度に見せられると、どれを選んだらいいか分からなくなるのです。
スパイスに関する情報が広まって、購入のハードルを乗り越えやすくなったものの、いざたくさんのスパイスを目の当たりにすると、そのハードルを越えられずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
せっかく興味が湧いてスパイス売り場まで行ったのに、ワッと大量の情報を浴びせられて、どれを選んだらいいか分からなくなり、そして何も買わずに帰る……となってしまうのは、スパイスを使った料理のブログをやっている者として悲しいことです。
というわけで、今回は、スパイスを使ったカレーや料理を始めたいけど、どうスパイスを買ったらいいか分からないという方に、「とりあえずこれだけあれば何とかなる」スパイスと、その買い方、さらに注意点をご紹介したいと思います。
とりあえず結論
結論から言えば、方法は2つあります。
1つ目は、レシピが付いて、少量使い切りの「スパイスセット」を買う方法です。
これは、「とりあえずスパイスカレーを作ってみたい」と思ったとき、使い切りのスパイスで感覚を掴むという意味でおススメの方法です。
2つ目は、「クミン」「コリアンダー」「ターメリック」「カイエンペッパー」と「カレー粉」をスーパーで買う方法です。
「いや、スーパーのスパイスコーナーは色々並びすぎて分からない」と思われるかもしれませんが、やはり身近にあって、手に取って選べるというのはスーパーの利点です。
まずは他のスパイスに目もくれず、「クミン」「コリアンダー」「ターメリック」「カイエンペッパー」「カレー粉」だけを手に取りましょう。
それらを選ぶ上での注意点もご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
では早速、色々ある選択肢を整理して、スパイスの買い方を検討していきましょう。
選択肢いろいろ
「カレーに必要なスパイス」
多くのカレー研究家さんの発信によってかなり周知されたとは思いますが、「クミン」「コリアンダー」「ターメリック」、場合によってはプラスして「カイエンペッパー」があれば、十分カレーを作ることができます。
これらのうちどれかを抜いても全然カレーになるのですが、話がややこしくなるので、ここでは割愛。
また、単体のスパイスを組み合わせずとも、すでにあらゆるスパイスがブレンドされ、焙煎&熟成された「カレー粉」を使うことでもカレーを作ることができます。
奥深い香りや、馴染み深くわかりやすいカレー風味にできる反面、香りの自由度は単体のスパイスの組み合わせに譲ります。
とにかく「カレーを作りたい」のであれば、上記のスパイスで十分です。
「こだわりたい」となったときに、買い足せばよいと思います。
「スパイスの買い方」いろいろ
とりあえず必要なスパイスが分かれば、次は買い方を見ていきましょう。
スパイスの買い方をざっくり2つに分けると、こうなります。
スパイスを自分で選んで買う
スパイスを買うことが出来る場所(後述)で、色々スパイスがある中、自分で選んで買う方法です。
自分で探さないといけないといけませんが、好みのスパイスを重点的に集めたり、スパイスの減り具合で買い足しの調整が効きます。
スパイスセットを買う
ここでの「スパイスセット」は、少量使い切りのスパイスにレシピがくっついてくるようなものを指します。お店に置いている(ロフトやハンズでも見かける!)こともあれば、通販で買うこともできます。
まずお試しで、スパイスカレーに挑戦するなら、スーパーでスパイスを買い揃えるよりも、おススメの方法の一つです。
余ったスパイスの使い方を考える必要がなく、無駄なく使い切れますし、珍しいスパイスを少量から試すことができるので、スパイス買い足し前の判断材料にもなります。
しかし、スパイスの自由が効きにくいのと、継続して作っていくには割高(こればっかりは仕方ない)です。
継続して色んなカレーを作りたくなったら、ご自身でスパイスを選んで買いに行くのがよいと思います。
「スパイスを買う場所」いろいろ
スパイスの買い方が分かれば、次はスパイスをどこで買えるのか見ていきましょう。
スパイスを買える場所は色々ありますが、代表的な場所をご紹介。
スーパーや100均
ここがおそらく一番身近にスパイスを目にする場所ではないでしょうか。
少量入りのビンが中心で(比較的)使い切りやすく、最初に手に取りやすい。
輸入食料品店や高級スーパー
カルディや成城石井などでは、スーパーの売り場では見かけないスパイスを目にすることができます。
「マスコット」(ヤスマ株式会社)のスパイスの取り扱いが多い印象です。
通販or近所にあればスパイス専門店
レアなスパイスが欲しいとき、あるいは大量に欲しいときに便利。
通販では画面越しにスパイスを選ぶことになるので、ある程度知識が必要となります。
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さて、ここまで「カレーに必要なスパイス」「スパイスの買い方」「スパイスを買う場所」の選択肢を見てきましたが、これからスパイスカレーを始めたい方におススメの方法は以下の2つです。
これから始める方におススメのスパイスの買い方2つ
1.「スパイスセットを買う」
これを買っておけば、間違いはないでしょう。
通販や雑貨店での取り扱いが多いですが、最近はスーパーに大手メーカーの製品が並ぶようになりました。
2.「スーパーで必要なスパイスを揃える」
(今回はクミン・コリアンダー・ターメリック・カイエンペッパー・カレー粉)
気軽に行ける近所のスーパーで、手にとってスパイスを見て、まずは必要なスパイスから揃える方法です。
通販で頼んで待つ必要がないので、ほぼ最速の方法ではないでしょうか。
今回は全てパウダースパイスを想定しています。
「スパイスセットを買う」方法は、「スーパーで必要なスパイスを揃える」前に、まずスパイスカレーを作ってみるのにも向きます。
プロによってチョイスされた、使い切りやすいスパイスがまとまっており、もうこれ以上何も語ることがないので「スパイスセットを買う」方法についてはここまでにします。
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「スーパーで必要なスパイスを揃える」方法について、これから詳しく見ていきたいと思います。
スーパーでスパイスを買おう
何はともあれ、最初に購入するのは、「クミン」「コリアンダー」「ターメリック」「カイエンペッパー」そして、「カレー粉」に絞って行くのがよいでしょう。
辛いモノが苦手な方は、代わりに「パプリカパウダー」(野菜売り場のアレではない)を買う、もしくは「カイエンペッパー」抜きでカレーを作ってください。
ここで他のスパイスが気になっても、一呼吸置いて、今欲しいかを考えてみてください。
上記のスパイスがあれば、十分カレーになります。
まずはそこから、少しずつ始めて、ハマれば買い足せば良いのです。
なぜこう言うかといえば、他でもない私が初心者だった頃、あれこれスパイスを買い、「アニス」や「オールスパイス」、その他数多のハーブ類、さらには通販で買った「カスリメティ」までも余らせてしまったからです。
少しずつスパイスを買い揃え、「次は何を買おうかな」と考えているほうが、モチベーションも続くと思うのです(少なくとも私はそうです)。
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閑話休題。
そろそろスーパーに行きましょう。
スーパーの規模とスパイスコーナーの大きさにもよりますが、そこそこたくさんのビンが並んでいます。
そして、厄介なのが、特段売り場でプッシュしていない以上、クミン・コリアンダー・ターメリック・カイエンペッパーが目立つ場所に置かれているとは限らないのです。
しかも、「クミン」の隣にはたいてい「クミンシード」があったり、「チリペッパー(カイエンペッパー)」があると思ったら、「レッドペッパー」や「チリパウダー」なんかもあって、混乱することこの上ありません。
ここからは注意点をいくつかご紹介します。
注意点いろいろ
最初にも言ったように、スーパーのスパイスコーナーはたくさんのスパイスがズラっと並んでおり、一目見て目的のスパイスを見つけるのは困難なほか、間違いも発生しやすいです(店員さんに聞いても、たぶん詳しい人は少ないです)。
今回は注意点を3つのトピックでご紹介します。
1.メーカーの違い 2.唐辛子いろいろ 3.カレー粉
メーカーの違い
多くのスーパーでは、「S&B」か「GABAN(ハウス)」のスパイスのうち、いずれか1社のものが並んでいるのを見かけます。
それぞれ特徴を見ていきましょう。
S&B
今回、私が例として買ってきたのはS&Bのスパイス。
S&Bのスパイス(SPICE&HERBシリーズ)はよく見かける丸いフタが特徴。
色味や香りの印象、あるいは役割なのか、明確な基準は分かりませんが、いくつかの色で分けられています。
間違えやすい「クミン」と「クミンシード」は商品名として明記されているほか、微妙に色が違う(「クミンシード」のほうが薄い)ので、やや親切かも。
また、スマートスパイスという、より少量で使い切りやすいサイズの商品も存在します。
スマートスパイスは商品数が限られていますが、少量で済む「ターメリック」や「カイエンペッパー」がラインアップにあるのは嬉しいところ。
GABAN(ハウス)
ビンの色味は全て同じで、並べたときに統一感が出やすく、なんとなく「かっこよく見える」印象があります。
量はS&Bのものより少し多く、「プロ仕様」を謳うだけのことはあるのではないかと思います。
ビンに統一感があるデザインのため、スパイスの名前だけ見てパッとカゴに入れるのは危険です。ビンの中身まで確かめて購入してください。
青い背景に白くスパイスの絵が書いてあるのが「パウダー」で、
銀背景に青でスパイスの絵が書いてあるのが「ホール」です(上のローリエのビンは「ホール」)。
なお、ミックススパイスは赤色です。
GABANだけでなく、S&Bのスパイスにも言えることですが、両社とも、「パウダー」と「ホール」の見分けはしっかり手にとって行ってください。
唐辛子いろいろ
今回必要なスパイスとして「カイエンペッパー」を挙げていますが、スパイスコーナーにはそれだけでなく、他にも唐辛子のスパイスがあるので注意してください。
カイエンペッパー(カイエンペパー)
粒が細かく、最も無難な唐辛子。
S&Bでは「チリーペッパー」の下に(カイエンペッパー)と表記されています。しかし、スマートスパイスは「チリーペッパー」としか書いていないので注意してください。
混乱のもとだから統一してくれ
レッドペッパー(レッドペパー)
カイエンペッパーと比べると、やや粒が粗めに見えます。
S&Bのものは焙煎した唐辛子もブレンドされているようで、香ばしさを加えることができる様子。一味唐辛子に近いかも。
こちらでもカレーを作ることはできます。
ハバネロやハラペーニョ
めちゃくちゃ辛いものがお好きな方はどうぞ。
チリパウダー
一見普通の唐辛子のパウダーに見えますが、にんにく、クミン、オレガノなどがブレンドされた「ミックススパイス」です。さらには塩まで入っています。
メキシコ料理などに使うスパイスで、唐辛子単体とは違います。
決してカレーが作れないということはありませんが、仕上がりは別物になるでしょう(塩気も調整しないといけなくなる)。
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よくレシピで登場するということもあり、これを選べば間違いないのは「カイエンペッパー(チリ―ペッパーとも)」でしょう。
カレー粉
S&Bの赤缶をはじめ、たくさん種類があるカレー粉。
ガラムマサラの代わりとして仕上げに振ったり、カレー粉からカレーを作ったり、和え物にしたり、炒め物にしたり、用途もたくさん。
「カレー風調味料」や「顆粒タイプ」のものでなく、「香辛料だけで作られたタイプ」ならどれを選んでも構わないでしょう。
↓参考(外部リンク)↓
ただし、モノによって加熱せずに使えるものと、そうでないものがあります。どんな料理にカレー粉を加えたいか、普段の用途も考えて購入されるのがよいでしょう。
私が使っているのは、S&Bの赤缶と、インデアン食品のカレー粉です。
S&B赤缶は非加熱で使え、馴染み深い香りが出せるので重宝しています。
インデアン食品のカレー粉はカルディで最初に買って以来、すっかりお気に入り。陳皮が多めに入っていて、清涼感のある香りが好みです(要加熱)。
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というわけで、ここまでスーパーでスパイスを買う際の注意点をご紹介してきました。それらを整理すると……
スーパーで買うときの注意点の整理
・S&Bはよく見かける丸いフタの「SPICE&HERB」シリーズと、少量で使いやすい「スマートスパイス」がある。少量で済むスパイスは「スマートスパイス」でよい。
・GABAN(ハウス)はビンに統一感があって並べると様になる。量が少し多くてプロ仕様。パウダーとホールの見分けはじっくりビンの中身を観察して(これは両社とも同じ)。
・唐辛子は粒が細かめで、無難な「カイエンペッパー(チリーペッパー)」or香味があって粒が粗めの「レッドペッパー」のどちらかがおススメ。
「チリパウダー」は唐辛子以外もブレンドされた「ミックススパイス」であることに注意。
・カレー粉は「香辛料だけで作られたタイプ」を推奨します。
モノによって非加熱で使えるもの、加熱しないと使えないものがあるので注意。
迷ったらまずは非加熱で使える「S&B赤缶」から始めるのがよいでしょう。
以上の注意点を踏まえ、最後のまとめに入りたいと思います。
まとめ
これからスパイスカレーを始めたいという方におススメのスパイスの買い方は以下の2つです。
1.レシピ付きの使い切りスパイスがまとまった「スパイスセット」を買う。
2.スーパーで「クミン」「コリアンダー」「ターメリック」「カイエンペッパー」と「カレー粉」を買う。
1.「スパイスセット」を買って一度カレーを作ってから、また作りたくなったら、2.スーパーに買いに行くというのもアリ。
「スパイスセット」ならば、プロがチョイスしてくれたスパイスが使い切れる量でパッケージングされていますが、続けて作っていくには割高なので(これは仕方ない)、継続してカレーやスパイス料理を作りたいなら、ご自身で買い集めるのがよいでしょう。
スーパーのスパイスコーナーに着いたら、まずは他のスパイスに目もくれず、「クミン」「コリアンダー」「ターメリック」「カイエンペッパー」そして「カレー粉」を買いましょう。
上記のスパイスで十分カレーを作ることができます。
その他のスパイスは、「もっと色んな風味を愉しみたい」と感じてからで間に合います。
私は最初に買い込みすぎて、後から合わないスパイスが見つかったりと、とんでもないことになったので、皆さんはご注意ください。
もし買い足したくなったら、私が初心者のときに買ってよかったスパイスをまとめた記事がありますので、ぜひ参考にしてください。
続編もあります
スパイスカレーや料理に慣れたら、「どんどん減るスパイス」と「全然減らないスパイス」に分かれてきます。
それぞれどこで、どう買うのがいいのかを考えてみた、続編の記事です。
皆さんのスパイス生活が実り多きものとなりますよう。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
スパイスを買いそろえたら……
↓まずはこのカレーからはじめてみませんか?
↓トマト缶でカレーを作ったら、「酸っぱい……」というのは定番のお悩みのようです。
↓玉ねぎ炒めには色々ありますが、私なりの方法をご紹介。必ずしも飴色まで炒める必要はないと私は考えています。
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