0141 ドーナツあたためますか

百汁百菜

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 正直意味はないと思っていた。温めようが何をしようが、オールドファッションはモソモソしているものだと思い込んでいた。ミスタードーナツ公式サイトで「温めると美味い」って書いてあるけれど、それでいったい何が変わるものかと思っていた。
 しかし、レンジで数十秒チンするだけでオールドファッションはその装いを一変させた。

 オールドファッションといえばポロポロ、ごわごわ、モソモソとしていて、食べれば口中の水分を持っていかれてしまうものと決まっており、傍らに多めのコーヒーやミルクを置いて食べるのが当然だと思い込んでいた。
 むろん、そのポロポロ、ごわごわ、モソモソには好ましさも感じており、「ドーナツを食った」という気にさせてくれるから、イースト発酵させたパン状のドーナツ(たとえば、シュガーレイズド)よりも僕は好んで食べている。

 でもそんなオールドファッションをレンジでチンするとすっかり世界は転換してしまった。男である僕ですら身を委ねたくなるほどの、がっしりとしたガタイが身上のオールドファッションなのに、それがすっかりほどけてやわやわ、くったりとなってしまうのだ。手で持ち上げればあっさりほどけるように割けてしまう。
 そして指で摘むと常温時のこわばりは一体どこへいったのか、ふにふにとした触感となっており、これまでのオールドファッション観を吹き飛ばしてしまったのだ。

500Wで30秒ぐらいなら真ん中に芯が残るアルデンテ状態。40〜50秒でやわやわに。
オールドファッションに「蜜」がある!?

 加熱されたことにより、揚げたての香ばしさも復活。表側(というので合っているのか?)の粗いテクスチャの部分はカリカリサクサク食感に。そして何と言っても、食べても口の中の水分があまり持っていかれない!
 一体どこにそんな水分(そして、油分)を隠し持っていたのだろう?と思えるほどオールドファッションからは湯気が立ち昇り、食べればじわっと油の旨みが舌に絡みつく。隠れたカロリー爆弾と呼ばれているオールドファッションだが、それはレンジでチンしてみればよくわかるようになる……。

 ともかく、オールドファッションをレンジでチンすることを覚えてからというもの、チョコファッションにはすっかり目が向かなくなった。昔は「どうせ買うならチョコファッション」と思っていたのに、今では「チョコのせいでレンチンできないからオールドファッション」を求めるようになった。と、この文章を書いている今気づいたが、チョコのかかった部分だけ先に食べてからチンすればよいのではないか……?

 ミスタードーナツ公式サイトでは温めて食べると美味しいドーナツに〈温〉のアイコンがついている。オールドファッションについては、実は焼いて食べると美味しい〈焼〉のアイコンだけがついているのだが、別に〈温〉でも美味しいとは僕が保証する。
 さて、僕がミスタードーナツに行けば何よりも優先して買うのが「ゴールデンチョコレート」である。カップヌードルの謎肉ばりに正体不明の「謎カリカリ」が全面にまぶされたチョコドーナツ。「ココナツチョコレート」ほど身元がはっきりしていないから昔は避けていたのだが、今ではポン・デ・リングよりも優先して買うほど好きなドーナツになっている。

 この「ゴールデンチョコレート」も温めて美味しい〈温〉の対象であるのならば、レンジでチンしないわけにはいかない。

500Wで40秒ほど。
持った瞬間、崩れてしまった

 こちらはもう手で持った瞬間にちぎれてしまうほどやわやわに。外のカリカリとの食感のコントラストがより強調されるようになる。冷めているときはこわばった小麦の中に閉じ込められていたチョコの香りも立ち昇るようになり、やっぱり温めたほうがうまい。

 その他シュガーレイズドやハニーディップも温めて食べたことがあるが、やはりこのほうがうまい。ドーナツのタイプにもよるが、常温で食べるというのは、高性能スマホをただの動画視聴やネットサーフィンにだけ費やしてしまっているような、本来の持ち味を活かせていない状態であったのだと思わされた。
 これまで散々パンは焼き直しリベイクて食べてきたのに、どうしてドーナツも温めたほうがおいしいということに思い至らなかったのだろう。うんざりしながら食べていた給食のパンだって、たぶん温めて食べたら随分とおいしく食べられたであろうに……。

 別にミスタードーナツのドーナツだけでなく、スーパーのパン売り場に並んでいるようなドーナツであっても、温めたら美味しくなることが多い。これからコンビニでドーナツを買ったのならば「ドーナツあたためますか」と聞いてくれないものか。

余談

 セブンイレブンでは一時期、レジ横の保温ケースに陳列されていて、購入すると本当にチンしてから渡してくれるドーナツを売っていることがあった。今はドーナツだけでコーナーを構えるのではなく、ベーカリーの一部に吸収、縮小される形で温かいドーナツを提供しているようだ。
 コンビニ業界ではドーナツを売り出そうとして何度かトライしているけれど、あまりうまくいっていない印象がある。ミスタードーナツが強すぎるからというのと、やっぱり「温かいドーナツ」に馴染みがないからだろうか。

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2026/08/11分(上)

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トマトと玉子の炒め物
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2026/08/12分(下)

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