はじめに
バジルの清涼な風吹く炒めもの。
こんにちは。ハセガワタクミ(カルダモン26)です。
今回は、厚揚げをメインに、トマト、卵、鶏ひき肉といった具材をナンプラーとオイスターソースで炒め、仕上げにバジルを散らした「厚揚げトマたまガパオ炒め」のご紹介です。
トマトや鶏ひき肉に加え、魚介系調味料が生み出すコクの中にバジルが甘く、清涼に吹き抜ければ、気持ちのよい炒めものになりました。
このレシピについて
農協の直売所でたっぷりとバジルが手に入ったので、前々からやってみたかった台湾風の炒め物に挑戦。
気がついたらナンプラーも入ってタイの風も吹き始めました。
互いに魚介がベースの調味料であるナンプラーとオイスターソースを合わせてみたら、コク感と穏やかな風味が残り、クセを打ち消し合っていい感じ 。
しょうがとコリアンダーで鶏ひき肉の風味が非常によくなっているのも見逃せないポイント。
コリアンダーがナンプラーと調和しつつ、最後に香りがフワっと抜けて気持ち良い炒め料理です。
忘れてはいけないのが、最後にどっさり入れたバジル。甘みと爽快感が、コク旨な炒め物のアクセントとなり、食べる手が休む暇を与えません。
たっぷり入った具材のおかげで、これと白ご飯があればもう立派な食事。ご飯に乗せればガパオライスの雰囲気も出て、どんどんご飯をかき込めます。
程よく旨みを吸った厚揚げの存在感で満腹感もバッチリ。
厚揚げトマたまガパオ炒めのポイント
バジルは生の葉っぱをたっぷり使って
バジルの種類は違えど、台湾やタイをはじめとするアジアの料理でよく使われるバジル。
醤油系の風味に意外なほどよく合います。
バジル(今回はスイートバジル)はぜひとも生の葉っぱをたっぷり使ってください。
嚙みしめる度に広がる、甘くも清涼感ある柔らかな風味は生のものならでは。
大きな葉っぱは、具材の一つのような存在感も放ちます。
また、バジルはコリアンダーと同じ系統の香りを持つことから相性抜群。ぜひ一緒に使ってみてください。
魚介系調味料のダブル使いで生み出すコク
今回はナンプラーとオイスターソースをダブル使いし、魚介系調味料の深いコクを加えました。
ナンプラーはそのクセの強さから、人を選ぶ調味料かもしれませんが、火をしっかり通した上で、似たようなクセを持つオイスターソースと共に使えば、クセ同士が打ち消しあって穏やかになり、旨みを引き出すことができます。
クセ者同士を合わせることで、クセが強まるのではなく、かえって穏やかになるというのは、スパイスでも同じことがいえます。
厚揚げトマたまガパオ炒めの材料
【材料(2人前)】 ・厚揚げ・・・250g(小さめ4つ入り1パックが目安) ・卵・・・・・2個 ・鶏ひき肉・・・100〜150g ・塩・・・・・・1~1.5g (ひき肉の量や、目指す味に合わせて調整してください) ・しょうが・・・・・・・・・5g(みじん切り) ・コリアンダーパウダー・・・2g(約小さじ1) ・ナンプラーor醤油・・・小さじ2(ぜひナンプラーを使ってみて) ・オイスターソース・・・小さじ2 ・砂糖・・・・・・・・・小さじ1 ・トマト・・・100g(小さめのもの1個) ・バジル(スイートバジル)・・・約20g ・サラダ油・・・大さじ1×2回分
厚揚げトマたまガパオ炒めの手順
1.厚揚げは一口大に切り、フライパンで油を敷かずに弱めの中火~中火で焼き目をつける。
厚揚げの揚がった面全てに焼き目をつけたら取り出す。
空になったフライパンにサラダ油を熱する。卵をボウルに割りほぐし、半熟に炒めて取り出す。
2.フライパンにサラダ油を補い、弱めの中火に熱する。みじん切りのしょうがを入れて香りが立つまで焦がさないように炒めたら、鶏ひき肉と塩を入れて炒める。鶏ひき肉の色が変わったら火を弱め、コリアンダーパウダーを入れ、粉っぽさがなくなるまで炒める。
3.中火にして厚揚げを戻し入れる。ナンプラー、オイスターソース、砂糖を入れて炒め、しっかり加熱して馴染ませたらトマトを入れる。
トマトの角が軽く崩れ始めたら、卵とバジルを加え、さっと混ぜる。
味見をして、足りなければ塩で調えて完成。
夏に食べたいスパイス×炒めもの
塩とスパイスだけで驚くほどの美味しさ。ズッキーニの瑞々しさと牛肉のジューシーさが好対照。
ゴーヤチャンプルーに花椒と豆板醬を加え、ピリッとした辛みとコクをプラス。
じっくり焼いた具材の香味と合わされば、無敵のご飯泥棒になります。
中華料理に影響を受けたスリランカ料理の「デビル」。
酢豚のような見た目から繰り出される、唐辛子の辛みとトマトの酸味が、日本人には新感覚です。
そんな「デビル」を厚揚げでアレンジ。
豆腐系ばっかり炒めていることに気づきましたが気にしないでおきましょう。
おわりに
あれもこれもと、少し具材を欲張ってしまった炒めものですが、ナンプラーとオイスターソース、それにバジルとコリアンダーがキレイにまとめてくれました。
ご飯はもちろんですが、お酒にもよく合います。
バジルを使った気持ちよい炒めものをたっぷり頂いて、暑い時季でも元気に乗り切りましょう。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
参考:「dancyu」2022年1月号 – プレジデント社 沼口ゆきさんのレシピ
「スパイスの科学大図鑑」- 誠文堂新光社 スチュアート・ファリモンド(著) 辻静雄料理教育研究所(監修)
コメント