はじめに
こんにちは。ハセガワタクミ(カルダモン26)です。
このブログでは度々、スリランカ料理を参考にしたカレーやおかず、副菜をご紹介してきました。
↑スリランカのカレーやおかずをまとめた特集
かつお節(現地ではモルディブフィッシュ)を使用した、日本人にも馴染み深い味わいや、インドカレーとは違い、煮ることが多いカレーの作り方は、玉ねぎやトマトの脱水に神経を使う必要がなく、気軽に作ることができます。
また、おかずや副菜は、野菜たっぷりながらも、ライスが進むものが多く、カレーなしでも食事が成り立つほど。
色んな魅力があふれるスリランカ料理に、すっかり私はのめり込んでしまいました。
そんな魅力をお伝えすべく書いた記事は、おかげさまでたくさんの方に読んでいただいています。
今回は、そんな魅力を知っていただいた上で、読めばスリランカ料理にますますハマるであろう、私が愛読しているスリランカ料理本を2冊ご紹介したいと思います。
その本は以下の2冊。
・「家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理」
河出書房新社 香取薫(著)
・「スパイスカレーと野菜のおかず スリランカのまかないごはん」
イカロス出版 石野明子(著)
私としては、どちらの本も非常に参考になるので、一緒に買って読んでほしい!と思っています。
ですが、これからスリランカ料理を始めたいと思っている方が、まずは1冊、どちらかを買うのなら、「スパイスカレーと野菜のおかず スリランカのまかないごはん」をおススメしたいと思います。
その理由としては以下の3つ。
・ゴラカやココナッツパウダーの下準備の方法や、冷凍の可否など、知っておくと後々役立つ「コツ」や知識が載っているから。 ・本場の辛さと、スリランカ現地の辛さの調整ができる ・レシピ数の多さ
これらを踏まえて、スリランカ料理本の2冊を比較していきたいと思います。
2冊の比較
「スパイスカレーと野菜のおかず スリランカのまかないごはん」
スリランカで写真スタジオを構える著者の石野明子さんが、現地のスタッフ3人の「まかない」レシピをまとめた1冊で、3人集まったならではの、バリエーション豊かなレシピが掲載されています。
刊行は2021年末で、「家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理」の後に出た本。後発ならではの強みがある1冊だと思います。
なぜこの本を先に買うことをおススメするかというと、私は、先に「家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理」を読んで作っていたのですが、
「こっち(『スリランカのまかないごはん』)を先に読んでいれば!」と思うことが色々ありました。
ゴラカ(スリランカでよく使われる、木の実を燻した酸味のあるスパイス)や、ココナッツパウダーのおいしい溶き方など、細かい下準備のtipsがこちらには載っていたからです。
また、作り置いて少しずつ食べたいスリランカ料理では、冷凍できるかどうかは、結構大事なポイント。
そんな冷凍の可否も各レシピに書いてあります。
そして、なんといっても、辛みの調整ができるのは大きなポイント。
スリランカでは、「辛いが旨さ」という価値観があり、非常に辛いレシピが多いのです。
スリランカでは「サライラサイ」(サライ=辛い、ラサイ=旨い)
引用:世界の料理 NDISH 様 https://jp.ndish.com/world/srilanka/
すなわち、「辛さが旨さ」という言葉のように、辛味をきつくすることが美味しい料理が成立しています。
この本では、日本人向けの辛さと、スリランカ現地の辛さが併記されており、辛みの調整に役立ちます。
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以上のことから、スリランカ料理を始めるにあたって、まず1冊買うならば、こちらの「スパイスカレーと野菜のおかず スリランカのまかないごはん」をおススメします。
他にも、この本のポイントとして、卵系のレシピが充実しており、「大唐辛子のカレー」のインパクトある見た目は必見!
また、料理の名前が現地の言葉で載っており、キラタ、ホディ、ミリサタなど、それぞれの料理のおおまかな基準と共に分かります。
ただ、見知らぬ食材、手に入りにくい食材、現地ならではの食材のレシピが、こちらの本には多いと思います。
もちろん、代用できる食材は紹介されていますし、現地の味、気候に合った食材を知るには格好の資料ですから、大いに価値があります。
「家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理」
一方、日本初のスリランカ料理本として、2017年末に出版されたのが、スパイス料理研究家の香取薫さんの著書「家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理」です。
2冊を比べて、最初にどちらか1冊買うならば、「スパイスカレーと野菜のおかず スリランカのまかないごはん」だと先に述べましたが、こちらの「家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理」も、大いに参考になる1冊。
「スリランカのまかないごはん」で得た知識を「家庭で作れる〜」にフィードバックして読むのがおススメです。
・ゴラカなどの代用品を丁寧に説明。
「家庭で作れる」というタイトルの通り、日本の家庭で作れるようなレシピが豊富
・「スリランカのまかないごはん」には載ってないレシピがあり、相互補完的に読める
・スリランカの文化や、美味しさの秘密に迫る、著者のエッセイもある
こちらの本は、著者の香取薫さんが、スリランカ現地で見聞きし、習った料理を、日本でも作れるように紹介しているのがポイント(まさしく「家庭で作れる」)。
特に、日本では手に入りにくい(通販では買えます)、ゴラカや、ヤシみつの代用品の紹介にはかなり気を遣われていることが窺えます。
例えば、ゴラカの代用品は、レシピによって、レモン汁だったり、梅干しだったり、タマリンドだったり。味の再現度が近いものを、都度検討されたレシピが掲載されています。
また、こちらの本では、日本でも馴染み深いナスのカレーや、大根のカレーなどが紹介されており、作りやすさに重きが置かれた結果なのか、それぞれの本に、それぞれ載っていないレシピがあるので、2冊揃える価値は大いにあります。
さらには、著者のエッセイ込みで、なぜスリランカ料理が美味しいのか、なぜ日本人の口に合うのかがよく分かります。
エッセイの中では、現地の人々の営みや、スリランカの文化的な側面もフォーカスされ、日本初のスリランカ料理本として読み応えのある1冊です。
やっぱり2冊一緒に読むのがいい
ここまで色々と2冊を比べてきましたが、私の一番の願いとしては、やっぱり2冊を一緒に読んでほしいと思います。
それぞれの本で得た知識を、それぞれの本を読むときにフィードバックできるので、理解度がグッと高まります。
また、片方にしか載っていないレシピも多数ありますから、相互補完的に読むのがいいと思います。
そしてもちろん、同じ料理が載っていることもあるのですが、それぞれ中身は違うレシピです。
聞けばスリランカ料理は、家庭ごとにかなり味が違うとのこと。
ネットのレシピも参照しつつ、より自分に、家族に合った味わいを作り上げていくためにも、色んなレシピを知っておくのは非常に強みになります。
ですから、被ったレシピがあっても、全く気にならないどころか、どこが違うのかを読み比べて知識を深められるので、大いに歓迎したいところ。
また、それぞれの本が伝える現地の姿を見ていると、スリランカに行ってみたいという気持ちに駆られてきます。
「家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理」では、現地の人々の営みが紹介され、「スパイスカレーと野菜のおかず スリランカのまかないごはん」では、活気のある市場の姿が紹介されたりしています。
そんな、レシピだけではない、お楽しみのページもそれぞれにありますから、ぜひ2冊とも揃えてほしいと思います。
結論
スリランカ料理に興味を持たれた方に、おススメの本は以下の2冊。
・「家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理」
河出書房新社 香取薫(著)
・「スパイスカレーと野菜のおかず スリランカのまかないごはん」
イカロス出版 石野明子(著)
まず最初に買うならば、後に役立つ知識が、より多く掲載されている「スパイスカレーと野菜のおかず スリランカのまかないごはん」をおススメします。
ですが、より日本の家庭での再現性を重視した、「家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理」と合わせて読むことで、相互補完的に、レシピも知識も手に入れることができます。
さらに知識を深めたいと思った方は、ぜひ2冊とも揃えてみてください。
また、「ティラキタレシピ」さん(外部リンク)や「ツナパハグループ」さん(外部リンク)のWEBページも参考になるほか、このブログでも、引き続きスリランカ料理(の日本的アレンジがほとんどですが)について発信していきたいと思います。
インドカレーと比べて、まだまだ情報が少ないスリランカ料理。皆さんの力もお借りして、どんどん盛り上げていければ幸いです。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
余談〜電子書籍で買うのがおススメ〜
私は最近、料理本を買うときは、できる限り電子書籍にしています。
もちろん、今回紹介した2冊も電子書籍で購入しています。
タブレット1つに何冊も入れておける携帯性が、やはり最高。
家の本棚に余裕がなくなっていたので、本を買うことをためらっていたのですが、電子書籍なら気になりません。
私はiPad Airに電子書籍を入れて読んでいるのですが、正直タブレットはカラーで本が読めて、そこそこサクサク動けば何でもよくて、タブレットにくっつけているスタンドのほうが大事。
キッチンでは本を開く場所をなかなか取れないし、勝手に閉じてページを見失うしで、紙の本をキッチンに持ち込むのが億劫になっていた私。
しかし、電子書籍で料理本を買い、タブレットを縦横自在に立てられる、「MOFT X」をくっつけて置くことで、置き場所をさして取ることなく、便利に使っています。
「MOFT X」は畳めば非常に薄くて軽いので、スタンド自体もかさばらず、機動性抜群です。
これがあるから、タブレットの利用頻度が増えたというぐらい。
私はいつも電子書籍+タブレット+MOFT Xで快適に料理をしています。
少しでも参考になれば幸いです。
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