はじめに
煮るだけ簡単、さらりとウマい。
こんにちは。ハセガワタクミ(カルダモン26)です。今回はスリランカカレーの作り方を応用して、日本人にもなじみ深い味わいとなった「かつお出汁のスリランカチキンカレー」をご紹介します。
油もトマトも使わず、煮るだけで作るチキンカレーはサラサラと食べられます。食べたあともスッキリ。もたれないので毎日でも食べたくなります。
このレシピについて
YouTubeでたまたま目にした動画。
それはスリランカ大使館のシェフが作るスリランカカレーの作り方でした。
それを見てつい作りたくなってしまい、できたスリランカカレーは衝撃でした。ソリッドな辛味とすっきりとした味わい。
玉ねぎを炒めないどころか、油すらも入っていないので重さもなく、スルスルと入っていってしまいます。昔に阪急大阪梅田駅近くで食べたポンガラカレーさん(外部リンク)のカレーもこんな感じだったような……と思い出しながら食べました。
ただ、パンダンリーフ(ランペ)やカレーリーフを持っていなかったので完全ではありませんでした。それに、刻んで入れたクローブやカルダモンが少しキツい……
ということもあり、かつお出汁を使った「スリランカ式」の出汁カレーにアレンジ。日本のキッチンでも作れるように、手に入りやすい材料で作っていきます。
スリランカではモルディブフィッシュというかつおぶしの一種を使ったカレーが食されているのもあり、馴染みも抜群。
和錫折衷のチキンカレーを作っていきましょう。
写真右側の「かつお出汁のパリップ」と合わせれば、日本人好みのスリランカ式カレープレートができます。
スリランカかつお出汁チキンカレーのポイント
油もトマトも使わない、煮るだけカレー
これまで作ってきたスパイスカレーと対極に位置するといえるこのカレーですが、一番「毎日でも食べたい」と思ったのはこの「かつお出汁のスリランカ式チキンカレー」です。
食べている途中もそうですが、食べたあとも残るのはスッキリ感。まったくもたれません。スルスルと入っていき、いくらでも食べられそうです。鶏むね肉を使っているのもポイントです。
鶏むね肉を煮込んでもパサつきにくい方法も載せているのでぜひ作り方をご覧ください。
油もトマトも入らず、玉ねぎもちょっとだけ。ただ具材とスパイス、あと出汁で煮るだけのシンプルでサラリとしたチキンカレーはまさに「飲めるカレー」です。
輪郭のハッキリした辛味!
スリランカカレーで一番驚いたのは胡椒の量。小さじ1ぐらいをドサッと入れます。普段のお料理には2~3振りと考えれば、これはかなり多いことが想像できると思います。
でも、この胡椒が辛味の輪郭をハッキリつけてくれ、やみつきになる辛味を楽しめます。カイエンペッパーの辛味とはまた違い、清涼感があります。これがあるだけでもらしさがだいぶ違いますので、胡椒を思い切って小さじ1入れてみてください。
かつお出汁で日本人なじみの味に!
このチキンカレーは一口食べると出汁の旨みがぐっと来ます。
玉ねぎは控えめで、油も入っていないからでしょうか。
胡椒とカイエンペッパーでソリッドな刺激をもたらしてくるスリランカカレーですが、この出汁のおかげで味の土台がしっかりし、日本人でも楽しめるカレーに仕上がりました。
出汁はこのカレーの生命線なので、ぜひ出汁をひいて作ってみてください。
かつお出汁のスリランカ式チキンカレーの材料
【材料(2〜3人前)】※2022/3/25 レシピを更新しました。 ・鶏むね肉・・・300~350g 〈ブライン液〉 ・水・・・・200cc ・塩・・・・6g ・砂糖・・・6g ・玉ねぎ・・・・50g(スライス) ・にんにく・・・5g(みじん切り) ・しょうが・・・5g(みじん切り) ・青唐辛子・・・5〜10g(斜め薄切り) ししとうや甘唐辛子でもOK ・塩・・・・・・3g 〈パウダースパイス〉 ・胡椒・・・・・・・・・2.5g(約小さじ1) (テーブルコショウでOK) ・カイエンペッパー・・・2g(約小さじ1) (かなり辛くなるので、好みで量を半分にする) ・ターメリック・・・・・2g(約小さじ1/2) ・クローブパウダー・・・0.5g(約小さじ1/4) ―ここまでマリネ― ・カレーリーフ・・・・・・ひとつまみ(あれば) ・パンダンリーフ・・・・・ひとつまみ(あれば) ・ローリエ・・・・・・・・1枚(半分にちぎる) ・レモングラス(乾燥) ・・・5本ぐらい (S&Bの乾燥レモングラス。長さ約7cm) ・カレー粉・・・・・・・・大さじ1 ・かつお出汁・・・・250cc 〈仕上げのスパイス〉 ・カルダモンパウダー・・・0.5g(約小さじ1/4) 〈かつお出汁の材料〉 ・水・・・・・・・400cc ・昆布・・・・・・3〜5g ・かつおぶし・・・5g
かつお出汁のスリランカ式チキンカレーの手順
【手順】
0.鶏むね肉を〈ブライン液〉に漬ける。
ボウルに〈ブライン液〉の材料をよく混ぜて、一口大に切った鶏むね肉を入れ、ラップをかけて一晩〜2日漬けておく。
〈ブライン液〉に漬けることで下味がつくほか、砂糖で肉の保水効果が上がり、煮込んでもパサつきにくくなります。
鶏むね肉で煮込むこのチキンカレーでは必須の作業です。
水、塩、砂糖ですぐできますし、鶏もも肉にも応用できます。ぜひ。
1.〈かつお出汁〉をひく。
水に昆布を漬け、最低でも30分は置いておく。昆布水を弱めの中火にかけ、沸騰させないように10分かけて煮出す。昆布を取り出して一度沸騰させ、かつおぶしを入れる。2〜3分置いたらザルとキッチンペーパーを使って濾す。
「かつお出汁のパリップ」と同時に作るときは、水900cc、昆布10g、かつおぶし10gで、一緒に出汁をひくのがおススメ。
出汁をひく過程で水は目減りしてしまうので、丁度良いぐらいの量になるはず。足りなければ水を少し足してください。
2.肉をマリネする。
鶏むね肉の〈ブライン液〉を捨てたら、大きめのボウルに鶏むね肉、玉ねぎ〜クローブパウダーまでの材料を全て入れてよく混ぜる。
※2022/3/25 追記 カレーリーフとパンダンリーフ(ランペ)もあれば入れる。
3.鍋にカレー粉を入れて弱めの中火で熱し、焦げ付かないようにヘラで混ぜながら煎る。カレー粉のよい香りが立ってきたら2.のマリネを入れてよく混ぜながら、鶏肉の表面がうっすら白くなるまで加熱する。
カレー粉と言っても色々ありますが、今回使用したのは赤缶ではなくこの「インデアン カレーパウダー」です。陳皮が多めに配合されていて、爽快感を感じる香りが好みです。
4.〈かつお出汁〉とローリエ、レモングラスを入れて煮立たせたらフタをして弱火にし、30分煮る。
5.フタを開けてカルダモンパウダーを入れ、よくかき混ぜる。味見をして足りなければ塩を補い、完成。
※2022/3/25 追記 食べる前に、パンダンリーフ、ローリエ、レモングラスは取り除いてください。カレーリーフは食べられるのでそのままで。
これはぜひバスマティライスなどのパラパラとした長粒米で。たっぷり茹でて、おかわりしながらどうぞ。
かつお節のだしがらはスリランカのふりかけ「ポルサンボル」にして有効活用!
スリランカカレーに学んだ、手軽に作るカレー
このチキンカレーを作るなら、ぜひ一緒に作りたいのがこのパリップ。ソリッドな辛味のチキンカレーと優しくほっこりするパリップの対比が面白いです。
同じかつお出汁を使っているので混ぜてもおいしい。バスマティライスは多めに用意してください。
スリランカといえばのココナッツミルクとダシの出る鶏手羽元で煮込んだ優しいハンズオフカレー。
ナスとズッキーニを混ぜ合わせて煮るだけ。ジューシーなナスの水気があふれます。
おわりに
油もトマトも入らず、玉ねぎもちょっとだけ。
スパイスカレーに慣れている方からすれば不安になるかもしれませんが、ソリッドな辛味と出汁で煮込んだスッキリ感のある味わいは、これまでとはまた別物のカレーとしてハマること請け合いです。
なにより、食べた後もスッキリしていて、もたれないのは本当に嬉しいです。
自分にとって、本当に毎日でも食べられそうなカレーはスリランカにありました。
皆さんもぜひ体験してみてください。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
※当記事と類似したレシピが掲載された書籍がございますが、私は該当書籍へのレシピの提供等、一切行っておりません。
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