兵庫県西宮市、といってもタイガースの本拠地からは遠く、六甲山を越えた先の坂道に突然現れるスリランカ国旗。
何度も目の前を通っていて、ずっと気になっていた「リトルランカ」さんに念願の訪問を果たした上、なんとも幸運なことに10周年記念の特別メニューを頂くことができました。
紹介の許可をいただけたのでレポートします。
ずっと気にはなってたけど……
スリランカ料理に影響を受けたカレーが出てくるスパイスカレー店は多かれど、「スリランカ料理店」となれば一気に数を減らします。
そんなスリランカ料理店がたまに通る道にあったのだから、ずっと気に留めてはいました。でも、あふるる高級感から、一人で行くようなお店ではないのかもしれない……と敬遠してしまっていました。
ところが、父親がこの「リトルランカ」さんの噂を聞きつけたのか、私に行こうと誘ってくれたので、ようやく訪問することができました。
かつて有料道路だった盤滝トンネルを越えた先の坂道にリトルランカさんはあります。この先の坂道を下った先は阪神流通センターや国道176号線に繋がっていきます。
そんな道だから交通量はあるものの、山里だし、人がそんなに住んでいるような土地ではないから、「こんな場所でやっていけるのか?」と疑問に思っていたのですが、そういえば近くに有馬温泉があった!
私の想像力が甘かったです。
でも立地のおかげだけなら10年は続かないでしょう。
やはり料理やサービスの質が高いからこそ。これから紹介する料理でも、そんなホテルで腕を磨いたシェフの丁寧なお仕事が光ります。
常連さんも多いようで、兵庫だけでなく大阪方面からもいらしていた様子。そんな各地にファンを持つリトルランカさんに念願の訪問です。
訪問日はまさかの……
11時の開店目がけ、10分前に駐車場に到着したところすでに先客が。しかも大阪ナンバー。
この時点でかなりの人気店だと察しました。
席に着くとぞろぞろと予約のお客さんが。予約なしでも入れますが、いい席に座ろうと思うと予約は必須です。ゆったりと過ごしたいのなら尚更。
さて、色とりどりの料理が載った「ランカプレート」を注文しようかと話していたところ、店員さんから「本日は10周年の特別メニューでビリヤニのみのご提供なんです」とのご案内が。
聞けばビリヤニは年に一度しかやらないとのことで、なんたる僥倖!
ビリヤニコースを堪能する
アーユルヴェーダスープ
スリランカの(たぶん)ポップミュージックとそのMVが流れるテレビを眺めつつ待っていると、出てきたのは胃をキレイにするという「アーユルヴェーダスープ」。
一口飲めば野菜の優しい味わいでまさに身体の中が洗われるよう。そこからスパイスの香りが立ち昇り、その後のビリヤニへの期待を高めます。
オレンジドレッシングで食べるサラダ
続いてサラダも出てきます。
オリジナルの「オレンジドレッシング」をかけて食べるのですが、これまた身体にスッと入ってくるストレスフリーな味わい。酸味と甘みで野菜の味が引き立ちます。
スープとサラダをゆっくり頂きビリヤニを迎える準備は万端。
そんな我々の前に現れたのはなんとも贅沢な見た目の一皿。
ビリヤニプレート
こんもりと盛られたライスにはフライドオニオンとカレーリーフ、カシューナッツが華を添え、パパダン(パパダム)と素揚げされたゆで卵、クリスピーな衣で揚げられた鶏手羽元。それにナスのモジュ(モージュ)が脇を固めます。
小皿には甘いパイナップルソース、ライタ、ミントのソース。
南インドのビリヤニは「エリックサウス」で食べたし、自分でも作ったから知っているものの、スリランカのビリヤニは初体験。
ご飯の色は等しく黄色に染まっており、ムラを楽しむというよりは一体感を大事にしているような雰囲気です。
ビリヤニのライスそのものはシンプルな味わい。周りのトッピングを混ぜ込みながら、あれこれ味変しながら愉しむのがコンセプトのよう。特にミントソースはもう抜群にライスの進む味わい。一生これでライスが食えるぐらい。爽やかでありながらもにんにく(玉ねぎも?)が効いており一気にパンチが出ます。
ここで食欲が爆発してしまい、のちにデザートが控えているにも関わらず、我慢できずにおかわりを頂戴しました。
ライス右上に添えられたナスのモジュ(モージュ)も個人的大ヒット。ナスが細かく切られてライスとの絡みがよく、絶妙な味付けでライスが進みました。また、ししとう(グリーンチリ?)が食感残るように入っていて風味も◎
自分で作るときもぜひ取り入れたいです。
カレー2種(チキン・カシューナッツ)
ビリヤニの後を追って出てきたのはチキンカレーとカシューナッツカレー。
チキンカレーは定番のココナッツミルク入り。サラリとしているのにコク深いです。手羽元と一口大のお肉が両方入っていてなんだか贅沢。シナモンが効いているような甘い香りが広がります。
そして、カシューナッツカレー。日本ではまずお目にかかることはないでしょう。スリランカ名産のカシューナッツを生で使ったカレーは、スリランカ現地ではみんな大好きだといいます。
その味はもうこっくりと濃厚!
甘く舌の上でとろけるカシューナッツは、普段煎ったものばかり食べていると新鮮に映ります。
そんなカシューナッツの中から顔をのぞかせたのは丸ごとブラックペッパー!ガリっとすることはなく柔らかく煮えています。
口に運んだ最初は甘いのに、噛み締めるとだんだんブラックペッパーらしい爽やかな香りが広がって、こっくりとしたカシューナッツの余韻をキリリと引き締めます。
デザートと紅茶で一息
食後には特別なデザートバイキングも提供されており、スリランカのヤシみつプリン「ワタラッパン」をはじめとするデザート類をいただきました。
スリランカといえばのセイロンミルクティーと共に頂けばそれはもう優雅なひと時。
入店から1時間半ほど、ゆったりと流れる時間を堪能しました。
おわりに
スリランカ人シェフによるホテル仕様の味わいが楽しめる「リトルランカ」さんへの初訪問レポでした。
お店の近くには畑があって、スリランカの野菜を無農薬で栽培されているということで、本で読むしかなかった味にも出会えるレストランです。
そして、この場所で10年続いているのは伊達ではありません。
これまでスリランカ料理の本を読んで再現したり、自分でアレンジしてレシピを書いたりするしかなかったスリランカ料理ですが、こうして本場の味が楽しめる場所が割と近くにあるとなれば大いに参考になりますし、刺激になりますね。次は通常メニューも堪能したいところ。
そんなリトルランカさんは予約なしでも訪問できますが、ゆったりとした席で時間を忘れる体験を求めるならば予約しておくことをおススメします。
料金に関しても、元ホテルシェフの丁寧な仕事が光る色とりどりのコース料理で時間を忘れるほどの体験が味わえるのなら、これはかなり安いです。
気軽に楽しめるティータイム営業もあるので、まずはそこで雰囲気をチェックするのもアリでしょう。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
※ご注意:今回私が頂いたメニューは特別メニューのため、普段の提供はないそうです。
通常時のメニューは下記URLより、リトルランカさんのHPでご確認ください。
DATA
リトルランカ-Little Lanka-
●兵庫県西宮市山口町船坂1380-1
●TEL:078-595-8727
●Web site⇒リトルランカ-Little Lanka【公式】(https://littlelanka.jp/)
●駐車場は裏の一本細い道に入ったところにあります
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