はじめに
リッチな旨みとスパイス使い。
こんにちは。ハセガワタクミ(カルダモン26)です。
今回は厚めに切った豚肩ロース肉に、玉ねぎ&トマトを凝縮したカレーソースを絡ませた「ポークペッパーフライ」に、オイスターソースと小松菜でさらなる旨みと食感を追加した「中華風ポークペッパーフライ」のご紹介です。
汁気がないから、ダイレクトに味わえる肉の旨みと濃厚なソースに、口の中で次々に弾けるホールスパイスとシャキシャキの小松菜がアクセント。
おかずとカレーの間のような一品は、ご飯はもちろん、お酒のアテにもピッタリです。
このレシピについて
チェティナード地方をはじめとする南インドで食べられている「ペッパーフライ」。チキンだけでなく、ビーフやポーク、マトンもあり、お肉なら何でも作れる、ドライ系の言わば汁なしカレー。
今回は青菜と豚肉のオイスター炒めをイメージし、小松菜を入れた「中華風ポークペッパーフライ」を作ってみました。
前に作った「チキンペッパーフライ」は、ホールスパイスのおかげで食後感は意外とスッキリしており、美味しく頂けましたが、それでもちょっと油が多いかな……という印象がありました。
その油のこってり感を軽減するという意味でも、小松菜のシャキッと瑞々しい青い風味は抜群の相性。
噛むほどにあふれるホールスパイスの香りと相まって、良いアクセントになってくれました。
豚肩ロース肉はあらかじめブライン液に浸けておいたことで、炒め煮しても柔らかく頂けます。
さすがに鶏肉ほどの柔らかさとははいきませんが、少し力を入れるとスプーンでも切れます。
水気がないから、箸で食べてもいい、おかず感覚で食べられるカレーです。
中華風ポークペッパーフライのポイント
汁気なしのドライタイプカレー
水を加えずに、具材の水分で炒め煮のように作るのが特徴的な「ペッパーフライ」。
玉ねぎとトマトの旨みがギュッと詰まっています。そんなソースを大きな豚にからめて頂けば、濃厚な旨みの波が押し寄せ、ご飯もお酒もよく進みます。
ですが、濃厚な旨みだけではすぐに食べ飽きてしまうというもの。
それを解消してくれるのが、たっぷりのホールスパイスと、シャキシャキ小松菜のアクセント。
口に運ぶ度に違うスパイスが弾け、小松菜の食感と瑞々しさも相まって、バラエティ豊かな風味で楽しく食べられます。
スパイスはケチらずどんどん入れましょう
↑このレシピのキモになるスパイスなのでぜひ入れてください↑
旨みたっぷりの豚肩ロースに負けないリッチなソースは、スパイスをケチらず使うチェティナード地方ならでは。
種類、量共に多めになっていますが、お持ちのスパイスの限り、入れてみてください。
特に、フェンネルシードは濃厚な旨みの中での清涼剤になるので、ぜひとも入れてほしいスパイスです。
また、清涼剤的な役割でいえば、ガリっとしたブラックペッパーも魅力的。ホールを軽く潰して、粉とは違う風味を楽しみます。
また、チェティナード地方では八角など、インドのイメージが特にないスパイスも使われている様子。今回はオイスターソースに合うと思い、入れてみました。
中華風ポークペッパーフライの材料
【材料(2~3人前)】 ・豚肩ロースブロック肉・・・300g 〈ブライン液〉 ・塩・・・・6g ・砂糖・・・6g ・水・・・・200cc ・玉ねぎ・・・・150g(みじん切り) ・トマト・・・・200g(ざく切り) ・にんにく・・・10g(すりおろし) ・しょうが・・・20g(すりおろし) ・塩・・・3g〜 ・油・・・大さじ2 〈ホールスパイス〉 ・八角・・・・・・・・・・1個 ・クローブ・・・・・・・・3粒 ・シナモンスティック・・・2.5g(手で折る) ・カルダモン・・・・・・・3粒(潰して中の粒を使う) ・ブラックペッパー・・・・約0.5g~(10粒・軽く潰す) ・フェンネルシード・・・・約1.5g~(小さじ1/2) ・ローリエ・・・・・・・・1枚(2つに折る) 〈パウダースパイス〉 ・コリアンダー・・・・・4g(約小さじ2) ・クミン・・・・・・・・2.5g(約小さじ1) ・ブラックペッパー・・・2.5g(約小さじ1) ・カイエンペッパー・・・2g(約小さじ1) ・ターメリック・・・・・1g(約小さじ1/4) 〈仕上げ〉 ・オイスターソース・・・小さじ2 ・小松菜・・・・・・・・100g(3~4cmぐらいに切る)
中華風ポークペッパーフライの手順
0.(前日準備)
豚肩ロースブロック肉は、1cmぐらいの厚みで3~4cm角に切り、ボウルに〈ブライン液〉の材料を全て混ぜたものに一晩(6時間以上)~浸ける。
1.野菜はあらかじめ全て下ごしらえしておく(調理が始まると手が休まらないため)。
フライパンに油と〈ホールスパイス〉のうち、フェンネルシードとローリエ以外を入れて弱めの中火で熱する。
スパイス(特にシナモン)の周りに泡が立ち、香りが立ってきたら、フェンネルシードとローリエを入れて、うっすら茶色になるまで熱する。
2.玉ねぎと塩1gを入れて強めの中火で炒める。
軽くかきまぜて放置するのを繰り返しながら、端が軽く焦げ始め、全体の印象がキツネ色になるのを目安に炒める(6~7分ぐらい)。
3.にんにく、しょうがを入れて香りが立つまで炒め、トマトと残りの塩を入れて、トマトの角が取れ、崩れてくるまで炒める。
4.トマトの形が潰れて水分が飛び、もったりしてきたら、火を弱めてパウダースパイスを入れる。
しっかり混ぜたら中火にし、ブライン液から出した豚肩ロース肉を入れてよく混ぜながら炒める。
豚肉の表面の色が変わったら、弱めの中火〜中火で10分目安に煮る。
途中で水気が足りなくなり、焦げるおそれがある場合は、水を50〜60cc補い煮る。
最後に小松菜の水気が入るので、少し強気に水分を飛ばしてもよいです。
水を加えて煮るカレーとは違い、フライパンから目を離さないようにしてください。
5.煮込み時間が残り2分ぐらいになったら、オイスターソースと小松菜を入れ、火を少し強めつつ、混ぜながら煮る。
味見をして、塩が足りなければ補って完成。追いブラックペッパーをするのもおススメです。
八角、クローブ、シナモンスティック、ローリエは取り除いておく。
ポークカレー特集
スリランカ式の、煮込み中心で作るポークカレーは、焦がした玉ねぎと、ゴラカの燻製風味で風味豊かな味わい。
圧力鍋で煮れば、盛り付けも大変なぐらい、トロトロのカレーになります。
ここ数年でポークカレー界にて大躍進の「ポークビンダルー」。
ワインビネガーで作るのがメジャーですが、黒酢で作るのはいかがでしょうか。
黒ごまのコク深い香りをまとわせた、焼きゴーヤと豚バラ肉のカレー。
苦み、甘み、香ばしさ、色々忙しいけど、それが美味しいカレーです。
おわりに
濃厚な旨みの「中華風ポークペッパーフライ」。小松菜を入れることでアクセントになり、弾けるホールスパイスの香りと共に、飽きることなくどんどん食べ進められる一品になりました。
水を極力加えずに作るのと、とにかくスパイスが多いので、少し難しめの料理と感じますが、その分、作れたときの嬉しさはひとしおです。
フェンネルシードが好きで、スリランカのブラックペッパーたっぷりのカレーも好きな私にとって、チェティナード地方のスパイス使いは惹き込まれるものがあります。
もう少し掘り下げて、色々作ってみたいと思いました。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
参考レシピ:「水野仁輔 カレーの学校 スパイスカレー最新レシピ ~豪華!33人のシェフが特別講義~」八重洲出版 – 渡辺玲さんの「チキンペッパーフライ」
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