はじめに
こんにちは。ハセガワタクミ(カルダモン26)です。
今回は、普段スパイス料理やカレーを作っている私が影響を受け、料理の幅を広げてくれた、「スパイス」や「カレー」以外の本をご紹介します。
これまで様々なスパイス料理やカレーのレシピをアップしてきましたが、それを支えてくれたのは、「スパイス」や「カレー」に関する本はもちろん、それ以外の料理本があったからです。
料理の基本を抑えたり、珍しい食材の組み合わせを見つけたり、目を惹くような盛り付けだったり……
いつも私は沢山の本に助けられています。
この記事では、ブログの料理のアイデアの源泉となっている本や、日々の生活を支える考えを身につけた本を、5つ+αご紹介したいと思います。
1.「四川料理のスゴい人 自宅でつくる本格中華レシピ」 2.「土井善晴の定番料理はこの1冊」 3.「ミニマル料理」 4.「dancyu」(2022年1月号・10月号) 5.「どこにでもある素材でだれでもできるレシピを一冊にまとめた「作る気になる」本」 番外.「一汁一菜でよいという提案」
料理の基本や定番を固めたい方、そこから発展して、見知らぬ料理や、新たな組み合わせを探したい方、そして、日々の食事をどう過ごしていくのか考える本までご紹介しますから、きっとあなたのお役に立つ本が見つかるはずです。
↓「スパイス」や「カレー」の本のおススメはこちらからどうぞ。
それでは、早速1冊目のご紹介です。
料理の幅が広がる、おススメ「料理の本」
1.四川料理のスゴい人 自宅でつくる本格中華レシピ
家の中華の基礎固めに、まずは読んで見てほしいのがこの本。
中華料理の基本の手法を丁寧に紹介してくれ、写真たっぷりだから、途中経過もバッチリ確認可能。
さらに、中華にありがちなお店の火力ではなく、家庭の火力で作れるレシピとなっているので、再現も容易です。
この本の著者の人長さんのレシピは、某〇ットペッパーの記事で何度か拝見しており、その時は、火鍋を作ったのを覚えています。
その後も何度か記事を読んでいたので、本が出たと知れば即ポチ。
四川料理を中心に、定番中華も掲載。さらには、知らないけど、見ているだけでビールが欲しくなるような料理まで色々です。
回鍋肉は、四川式と日本式との両方が掲載されるなど、大ボリュームの内容。
中華の技法で、しっかり食材の下処理をして作った中華料理は、「家でもここまでやれるか!」と驚くはず。
このブログでの参考文献に挙げた回数では最上位の1冊で、何度もお世話になっていますし、これからもお世話になると思います。
次の1冊も、基礎固めに役立つ本をご紹介します。
2.土井善晴の定番料理はこの1冊
土井善晴さんが日本経済新聞の夕刊に連載していた内容を再編集した1冊で、家庭料理の定番がここに詰まっています。
ポテトサラダに始まり、ハンバーグやナポリタン、ゴーヤーチャンプルーに手巻き寿司、茶碗蒸しや魚の煮付けが来たと思えば、カレーもあり、和・洋・印問わず、家庭で親しまれている定番料理を幅広くカバー。
土井善晴さんと記者の掛け合い形式で本は進行します。
それぞれの料理のコツが、しっかり言語化されているので、「なぜその作業を行うのか」について納得感があります。
写真よりも文章の面積多めで、かつての学校の教科書のような雰囲気。
なんだか懐かしい気持ちにもなりました(途中経過の写真は小さめながら豊富ですよ)。
1つ1つの作業の意味を理解し、しっかりけじめをつけながら作る料理は、整えられた美しさを感じます。
この本があれば、定番の家庭料理がグンと美味しくなるはずです。
私的には、土井善晴さんといえば、惜しまれつつ終わった「おかずのクッキング」を思い起こします。
終わった直後は電子書籍でも購入できていたのですが、とうとう購入できなくなり、寂しい思いをしていたところ、たまたま入った本屋で見つけたこの1冊に、そのエッセンスが詰まっていたので即購入。
今から読むなら、土井流家庭料理のコツがここに詰まっているこの1冊がおススメです。
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「土井善晴の定番料理はこの1冊」で紹介されている料理はとにかく丁寧で、かつ基本を外さないから、この先もずっと朽ちることのないレシピです。
とはいえ、この本のレシピを毎日作るのは大変。
そんなときに役立つレシピが載っているのが、稲田俊輔さんの「ミニマル料理」。土井善晴さんのレシピとも通じるような、シンプルで飽きの来ない味わいを、「最小限の材料」で実現したレシピが並びます。
3.ミニマル料理
「エリックサウス」の総料理長で、スパイスカレーの本を出していることからそのイメージが強い稲田俊輔さんですが、食のエッセイ本を書いたり、最近では食にまつわる小説も出したようで、マルチな活躍をされています。
そんな稲田俊輔さんの本「ミニマル料理」は、かつてあった「普通の家庭料理」に思いを馳せ、複雑で、ときに過剰ともいえる味わいが蔓延る今とは違い、「もしも『普通の家庭料理』のまま発展を続けたら」という想定で書かれた一冊。
現代の行き過ぎた「おいしさ」の逆を行きつつも、ちゃんとおいしい。「こういうのでいいんだよ」と言いたくなるようなレシピが満載で、具材とバターとパスタだけ、のような「だけスパ」のレシピの潔さとそのおいしさには思わず唸りました。
ほかにも「限界ラーメン」は、「本当にこれでラーメンになるのか?」という材料で、ギリギリラーメンだと思える限界を攻めたレシピでしたが、一口すすれば、「ああ、ラーメンだ」と思わず声が漏れてしまいました。
食べた後のスッキリ感や、「また食べたい」と思える飽きの来ない味わい。あまりに語ることが多すぎて、この本についての単独記事も出しています。ぜひ合わせてご覧ください。
4.dancyu(2022年1月号・10月号)
ときに、超ディープな情報が飛び出す「dancyu」。ハイターゲットならではの情報の濃さがあります。
旬を切り取り、新しい価値観をもたらしてくれるのは雑誌ならではと思います。
そんな「dancyu」から、特にお気に入りの2冊をご紹介。
あまりに参考にしすぎて、家に眠っていた、私よりも年上(多分30年物)で、サビっサビだった中華鍋を磨いて復活させたぐらいです。
2022年1月号「新しい家中華」
料理家や著名人の定番家中華を始め、ネットを探っても知り得ないディープな中華料理を知ることができるこの1冊。
中華といえば油をたっぷり使った華やかな印象がありますが、それとは違う、素朴で、だけどご飯が進むような、現地の定番家ごはんなどが紹介されています。
2022年10月号「きちんと美味しい炒めもの」
ウー・ウェンさんの「炒めものは手間も時間もかけましょう!」という一言から始まる特集では、これまでの炒めものに対して抱いていた価値観がひっくり返るはず。
簡単そうに見える「炒め」だからと軽視せず、この1冊を通して、しっかりテクニックを身につければ、「きちんと美味しい炒めもの」を作れるようになれます。
一部、タレントの記事がカットされていたりしますが、電子書籍で気軽に読めるので、そちらがおススメです。
次の1冊は、新たな食材の組み合わせや、アレンジを見つけられる本です。
5.どこにでもある素材でだれでもできるレシピを一冊にまとめた「作る気になる」本
レシピブロガー山本ゆりさんの一冊。もう十分売れているので、お持ちの方もいらっしゃると思いますが、改めてご紹介。
もうこの本を買ってから4年ほどになりますが、未だに手に取っては食材の組み合わせ、盛り付けなどを参考にさせていただいています。
割と定番に偏りがちな私の思考を柔軟にしてくれる、食材のアレンジの引き出しの多さにビックリ。
食材ごとにレシピがまとめられているので、冷蔵庫やスーパーの安売りと相談しながら献立を考えることもできます。
なにより手順が少な目で、美味しそうだから、ボーっとページをめくっているだけでも、なんだか作る気になってきます。
ブログのためだけでなく、日常の料理の参考としても、非常に助かっています。
最後に紹介するのは、日常の家庭料理を見直す1冊。
型を決めるということは、ある意味の解放であり、結果的に料理の幅が広がるのでは、と考えます。
番外.一汁一菜でよいという提案
「家庭料理とはこうでなければならない」からの解放、そこに幅の広がりを感じたのがこの1冊。
レシピは多少載っていますが、日々の料理に対して考えるための本(哲学、ともいえる)なので、番外として紹介します。
テレビ、雑誌、ネット、SNSなどがさかんに発信する手のかかった料理や、何品も並んだ、ごちそうが並ぶ華やかな食卓……
それらが「家庭料理ではこうでなければならない」というプレッシャーになり、あなたの生活を圧迫していませんか?という問いに、土井善晴さんが、一つの答えを提案してくれます。
それこそが「一汁一菜でよいという提案」です。
日々の食事の型を、「一汁一菜」を最低単位として決めましょうということ。
一汁とは、味噌汁のこと。それも具材を沢山入れたり、大きめに切って入れた、おかずを兼ねるようなもの。それに一菜、これは香の物(漬物)のこと。なければ佃煮や、それこそ味噌でよいのだといいます。
こうして決めてしまえば、日々の料理に頭を悩ませることはありません。
私も、ブログ用の料理を食べきってしまった日の食事で実践しています。
元々味噌汁の具材に拘りはないので、すんなりと受け入れられましたし、ご飯一杯と、味噌汁、それに漬物(あるいは佃煮)の食事で十分だと思うようになりました。
それに、季節のものを味噌汁に入れるだけで旬を感じることができ、食を見直すきっかけにもなります。
日常の営みの一つとしての食事は、決して目先の「おいしい」を求める必要がないと気づけば、ずいぶんと楽な気持ちで日々を過ごせます。
この本では、一汁一菜とは何かだけでなく、家庭料理、ひいては和食の再定義を行い、これまで培ってきた日本の心を見直すための哲学まで話は広がります。
この記事を書くために、改めて読みなおしましたが、最初に読んだ時よりも、もっと深く「日々の食とは何か」を考えるようになりました。
そして、この本を通してこのブログのレシピのあり方も考えなければならないと思うように。ここで私の考えを示しておきたいと思います。
料理ブログをやっている人間が言うことではないかもしれませんが、ここで紹介している料理は、皆さんの生活に、元気があったり、余裕があったりするときに作ってもらえれば、それで幸いだと思います。
レシピ本というよりは、料理を通した生活のあり方を考えるための本ですが、私にとって非常に影響が大きい本であったということから、紹介させていただきました。
日々の料理を見直したい方は、ぜひ読んでみてください。
おわりに
料理の基礎を固める本から、新たな価値観、未知の料理を知る本。それに、日々の食事をどう過ごしていくのか、というスタイルを考える本をご紹介してきました。
それぞれアプローチが違いますが、「料理の幅」を広げてくれる本だと思います。
特定のジャンルを深掘りしていく(私の場合はスパイスやカレー)のもよいですが、たまには違うジャンルや、改めて基本を確認すると、新しい発見があります。
幅があれば、もっと料理は楽しくなります。この記事が、皆さんの料理の幅を広げる一助となれば幸いです。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
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