はじめに
これからスパイスカレーを始めたいあなたに捧ぐ……
こんにちは。ハセガワタクミ(カルダモン26)です。スパイスカレーを作り始めて2022年で3年目に入りました。
ここ2年の情勢もあり、私が始めたころよりも認知度が増しているのではないかと思います。
カレーにまつわる色んな本も充実し、ネットでもさかんに情報が取り上げられている中、今一度、これからスパイスから始めるカレーづくりをやってみようとお考えの皆さんに、「スパイスカレーを始める前に知ってほしい5つのこと」をまとめました。
当たり前すぎて誰も突っ込まないことから、ちょっとだけカレーの世界を広げることまで、5つの知っておいてほしいこと、ぜひ最後までお付き合いください。
知ってほしい5つのこと
1.白い服を着てカレーを作らない
早速ですが、これはスパイスカレーを作る以前の問題。当たり前すぎて誰も突っ込まないけど、あえて突っ込みます。
スパイスカレーを作る前に、あなたが今着ている服をチェックしてください。
真っ白なシャツや、お気に入りの一着なら、今すぐ着替えてからカレーを作りましょう。
玉ねぎ炒め、トマトの水分飛ばし、煮込み、盛り付け……
カレー作りの工程は、あれもこれも、あなたの服に飛んでくるものであふれています。
私も幾度となく服を汚してきました。そのたびにゲンナリとしてしまい、カレーの味に影響してしまうことも。
多分、服を汚してしまったショックで味が分からなくなってます。
そうならないためにも、汚れても目立たない黒系の服や、ジャージなどに着替えることをおススメします。カレーを食べる前から気分が落ちるのは何としても避けたいところ。
もしカレーで服を汚してしまったら、太陽光が当たる場所で干せば、ターメリック由来の黄色いシミは消せるのでお試しください。
エプロンを着るのもおススメ
スパイスカレー作りの際はエプロンを着るのもよいでしょう。服をめがけて飛んでくる油や水分、トマト、スパイスから守ります。
この場合でも、白系のものは避けるのが賢明。デニムエプロンなんかあれば最高だと思います。
さて、服について見直したあとは、手持ちのスパイスをチェックしてみましょう。
2.スパイスは少しずつ増やそう
皆さんのお手持ちのスパイスはどんなものがありますか?
カレー粉、胡椒、それにナツメグなんかはすでにお持ちかもしれませんし、印度カリー子さんのおっしゃる、「タクコ」のターメリック、クミン、コリアンダーにプラスして、カイエンペッパーはもう買ったよ!という方もいらっしゃると思います。
まずはそれから始めましょう。
新しいことを始めるとなると、つい気合いが入ってしまうのは分かります。
ですが、あれこれスパイスをどっさり買い込むと、使いきれなかったり、自分の好みに合わないことが分かって使わなくなったりと悲しい事件が起こります。
私の場合はカスリメティというスパイスが合わなくて、大量に余らせてしまいました。
カスリメティとは、彩り鮮やかな盛り付けをなさるカレー店でよく見かける葉っぱです。その正体はフェヌグリークの葉っぱ。バターチキンによく使われます。自分はほとんどバターチキンを作らないので、大量に余りました……
自分に合ったスパイスを確かめるためにも、少しずつ買い足すことをおススメします。始めたばかりの方でも、ターメリック、クミン、コリアンダーのほかに買って間違いないと自分が思うスパイスをまとめたので、こちらもあわせてご覧ください。
ちなみに、スパイスのほとんどは辛くありません。なので、辛いモノが苦手な方でもスパイスカレーは楽しめますよ!
スパイスを少しずつ買い集めたら、スパイスを活かすために欠かせない油のお話です。
3.油をケチらない
スパイスカレーの失敗あるあるの一つが、油が足りないことです。油が足りないことで「なんだかおいしくない」カレーになってしまいます。
ドバドバ入れるわけではありませんが、ケチらないようにしましょう。
そもそも、スパイスの香りというものは、精油(エッセンシャルオイル)に由来するものであり、その名の通り、油によく溶けます。
スパイスの香りを立たせようと思えば、どうしても油がついてまわるのです(例外もありますがここでは割愛)。
それに、油があることによって、人は食べたときに幸せを感じます。スパイスカレーの材料はかなりシンプル。油が占めるウェイトが大きいので、ケチらず入れましょう。
どれだけ入れればいい?
大体これだけ入れればよいと思う量として、
1人前のカレーで大さじ1~1.5、2人前で大さじ2~といった具合です。
めちゃくちゃ多くはないけど、小さじ1だけ……というのはなかなか苦しいところ。
スパイスの香りを移す都合上、テフロン加工だからといって油を使わないわけにもいかないので、これくらいは入れるのが吉。玉ねぎも炒めやすくなりますし、油はしっかりめに入れてください。
油をしっかり使うようにしたら、次は味を左右する塩のお話です。
4.塩は計量しよう
油をしっかり使うようになっても、次なる壁が立ちはだかります。
それは塩の量。
ここもスパイスカレーの失敗ポイントとして大きいものです。私も幾度となく足りない&しょっぱすぎを経験してきました。
なので計量しましょうということです。
スパイスカレーの生命線は塩
スパイスカレーの味付けは基本的に塩だけで行います。
え?スパイスは?と思われたあなた。
スパイスをほんのごく少量、口にしてみてください。とても食べられたものではありません(甘い香りなのに苦いバニラエッセンスがよい例)。
スパイスには香りをつけたり、辛みをつけたり、色を付ける効果がありますが、「味をつける能力」はありません。むしろ、植物の種子や葉や根茎なので、苦いことが多い。
逆に言えば、香りはスパイスでつくので、塩だけで味付けができるということ。スパイスカレーにおける塩はとても大切な調味料なのです。
なぜ計量するのか
スパイスカレーの味を左右するからです。
塩加減一つでそのカレーを「おいしい」か「物足りない」か「しょっぱい」かに変えてしまう、恐るべき調味料です。
だから、きっちり量って入れて、味の基準を立ててから、最後に味見で調整しましょうということです。
料理によっても理想の塩分濃度が違いますが、カレーの場合は1%が妥当でしょう。
これをまず基準に、塩を量ります。となると、自然と材料全てを計量することになります。
面倒だと思われるかもしれませんが、ここでしっかり量っておくことで、味が安定しますし、上達すること間違いなしです。
それに、よくレシピに登場する「玉ねぎ1個」なんてありますが、いざ量ってみると、そんなの全くアテにならないことが分かります。玉ねぎ1個100gのときもあれば、300gのときもありますからね。
このブログのレシピは塩も、スパイスも、玉ねぎも、お肉も量った上で掲載しています。どれくらいの目安で作ればいいのかの参考としてもご覧いただければ嬉しいです。
5.玉ねぎ炒めに疲れたら
さて、最後に玉ねぎ炒めの話をしようと思ったのですが、それだけで記事が1本書けてしまう(というかもう書いた)ので、そちらをご覧いただくとして、ここではちょっと未来?の「玉ねぎ炒めに疲れたら」という話をします。
日本で紹介されている、いわゆる「スパイスカレー」のレシピでは、大体玉ねぎを炒めてしっかり水分を飛ばしますし、トマトも酸味を飛ばして旨みを凝縮するためにしっかり炒めます。
……いや、しんどいなコレ???
多分この作業、スパイスカレーにハマればハマるほど飽きてきます。その結果、私は無心で行うということにしているのですが、そこまでやらなくても作れるカレーがありますよということをお伝えしたいのです。
煮るだけで出来るカレーもあります
それは水野仁輔さんが「スパイスカレー新手法」で紹介した、「ハンズオフカレー」です。材料を重ねて煮るだけ。テクニック不在のカレーです。
このブログでもその手法を使ったカレーや煮物のレシピを紹介しています。
今はとりあえず、そういうカレーがあるということを頭の片隅に置いていただいて、もし玉ねぎ炒めに疲れたら、ちょっと思い出してほしいと思います。
選択肢は持っておくに越したことはないですからね。
おわりに
これからスパイスカレーを始めようと思っている方に向けて、私、ハセガワタクミ(カルダモン26)がどうしても知っておいてほしいことを5つ、お伝えしてきました。
1.白い服を着てカレーを作ると、汚したときに気分が下がるのでやめておく
2.スパイスは少しずつ買いそろえる。でないと合わなかったスパイスが余る恐れがある
3.油をケチるとコクが足りないし香りも立たないカレーになるのでしっかり使う
4.塩、できれば材料も計量してカレーを作る。塩はスパイスカレーを美味しくも不味くも変える重要な調味料
5.玉ねぎを炒めなくてもいいカレーもあることを知っておく
この5つに収まらないスパイスカレーのコツやポイントについてまとめた記事もあるので、こちらもぜひご覧ください。
ここまでご覧になってくださり、本当にありがとうございます。
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