はじめに
こんにちは。ハセガワタクミ(カルダモン26)です。
今回は、「スパイスカレーに慣れてから買ってよかったスパイス」を5種紹介したいと思います。
前回の「買ってよかったスパイス」は、「ターメリック」「クミン」「コリアンダー」「カイエンペッパー」の基本の4種の次に買ってよかったスパイスを5種紹介しました。
そちらの記事では、私が初心者のときに買って、今もガンガン使っているヘビロテスパイスを紹介しています。初心者から一歩抜け出して、あなたのカレーのレベルが上がること請け合い。ぜひ合わせてご覧ください。
さて、この記事では、「初心者のときに買ってよかったスパイス5種」から、さらに発展的なスパイスを5種紹介します。私ハセガワタクミ(カルダモン26)は、スパイスカレーを作り始めてから2年ほどが経過し、色んなスパイスを購入し、色んな本を読み、色んなカレーを作ってきました。
基本の4種+前回記事の5種でも、十分に色んなカレーを作れるのですが、もっと色んなスパイスを知って、使ってみてほしい!ということで、今回紹介する5種は、ピンポイント気味ながらも、揃えればスパイスカレーの世界を広げてくれるスパイスたちです。
皆さんがよく知るものに知らず知らず入っていたり、身近な存在だけど、逆に買っていなかったというようなものもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
↓スパイスに慣れてからの買い方のおススメをまとめた記事も合わせてご覧ください。
スパイスカレーに慣れてから買ってよかったスパイス
では早速、「スパイスカレーに慣れてから買ってよかったスパイス」を5つ紹介していきたいと思います。今回は、それぞれのスパイスの特徴を生かしたレシピも一緒にご紹介します。
1位:フェヌグリーク
「ほろ苦甘い」といった趣のある香りを持つフェヌグリークが堂々1位に。
メープルシロップを思わせる甘い香りの中に、カラメルのような苦さを感じるギャップが1位の決め手です。
そんなフェヌグリークについて詳しくはこちらからどうぞ。
フェヌグリークはパウダーだけでなく、シードでも使われ、コロコロ四角い粒は、じっくり加熱して甘い香りを引き出します。さらにはリーフ(葉っぱ)も使われ、「カスリメティ」として、特にバターチキンカレーの香りの決め手とも言われています。
甘い香りの中の苦味は、スパイスカレーの味わいに深みを出してくれ、肉、魚介、豆と、合わせる食材を選ばずに色々使えます。個人的に相性がいいと思っているのが魚介のカレーで、このレシピの影の主役ともいえるスパイスです。茶色ではない、淡色のカレーによく合うという印象があります。
そして実は、皆さんよくご存じカレー粉の主要スパイスの1つとして欠かせないスパイスなのです。皆さんも知らず知らずのうちに取り入れているスパイス、ぜひ、あなたのスパイスカレーにも。
量を入れすぎると苦味が立ってしまうので、控えめに使うようにしましょう。
2位フェンネルシード
噛めば甘味とスッと抜ける爽やかさが広がるフェンネルシードが2位に。
カレーを食べ進めるうちにプチっと弾けたときの嬉しさが2位の決め手となりました。
そんなフェンネルシードについて詳しくはこちらからどうぞ。
同じセリ科のクミンシードを緑にしたようなスパイスで、一緒に使って、噛んだ時の香りの違いを楽しむこともしばしば。
スタータースパイスとして入れたり、生で使うこともあります。
チキンや魚との相性がよく、魚のスパイス料理によく使っています。特にこのレシピでは、強い風味と辛みを持つハリッサに、フェンネルの甘味とスッと抜ける香りがとてもいい仕事をしてくれています。
噛んだ時に抜ける香りはリモネンを中心とするもので、柑橘のような風味を持ちます。これが一癖あって、好みが分かれるかもしれませんが、カレーの油っこさを軽減してさっぱりと頂けるようになるので、ぜひとも取り入れたいスパイスです。
次に紹介する「八角」と合わせて中国のミックススパイス「五香粉(ウーシャンフェン)」に使われているスパイスです。
ホールでスパイスということもあり、嚙んだ時のインパクトが大きく、フェヌグリークより分かりやすい変化が出るので、このランキングのスパイスの中では、特におススメです。
3位八角(スターアニス)
温かみのある甘い香りと、スッと抜ける香りが特徴の八角が3位に。
八角といえば「豚の角煮」みたいなイメージがありますが、それだけにとどまらず、色々使えるのが3位の決め手です。
そんな八角について詳しくはこちらからどうぞ。
可愛らしい星型のような8つの”腕”を持つ八角は、ホールをスタータースパイスとして使ったり、チャイや煮卵の香りづけと、様々な使い道があります。
中国のミックススパイス「五香粉(ウーシャンフェン)」に使われていたり、台湾の屋台飯「魯肉飯(ルーローハン)」に使われていることから、あまりイメージが沸かないかもしれませんが、八角はインドでも使われており、ビリヤニやバスマティライスを炊くときに使われたりします。さらにはベトナムのフォーにも使われていて、料理のジャンルを問わない活躍が見込めます。
同じような温かみのある甘い香りを持つシナモンと組み合わせれば、薬のようなクセが和らぎ、使いやすくなると思います。
色々使えるとは言いましたが、やっぱり豚肉との相性が抜群。このレシピの決め手の香りとなるので、ぜひ八角を使ってみてください。
八角はその見た目も楽しみたいので、せひホールでの購入をおススメします。スーパーでは中華コーナーに売っていたりします。
4位ブラックペッパー
ピリッとした辛みの中に、柑橘を思わせるフルーティーな香りのブラックペッパーが4位に。
仕上げにかける料理を選ばず、味と香りを引き締めてくれる汎用性が4位の決め手です。
そんなブラックペッパーについて詳しくはこちらから。
料理の仕上げにミルで挽くだけでなく、ホールのままスタータースパイスとして使われることもあるブラックペッパーは、ピリッとした辛みだけでない、柑橘のようなフルーティーさが魅力です。
ブラックペッパーをわざわざ取り上げるのは意外と思われるかもしれません。なにしろ、皆さんもよく使っているであろうコショウです。
しかし、いわゆる「テーブルコショウ」は、ホワイトペッパーとのブレンドで、マイルドな風味になっています。ブラックペッパー本来の辛みとフルーティーさを味わうには、ぜひ、単体で使うことをおススメします。
さらには、すでに「あらびき」になっているものではなく、ホールで購入して都度挽いて使うと、フレッシュな香りが楽しめます。手軽に使うなら、ミル付きのブラックペッパーがおススメです。
すでに皆さんも知っている香りなので、まず買うなら、ブラックペッパーがおススメです。
仕上げにガリガリ削って、ブラックペッパーの香りを楽しむレシピはこちらから。八角の香りを合わせて、複雑な味わいを楽しめます。
5位コリアンダーシード
噛めばあのパクチーを思わせる香りが抜けるコリアンダーシードが5位に。
パクチーはあまり得意ではないのですが、とある調理法で化けるので、5位にランクインしました。
コリアンダーシードは、基本の4種の中にもいた「コリアンダー」がパウダーになる前の姿です。
葉っぱと茎は、一時期一世を風靡した「パクチー」として利用されており、パクチーほどではありませんが、噛んだ時にシードにも似たような風味があります。そんなコリアンダーについて詳しくはこちらからどうぞ。
柑橘のような香りを持つコリアンダーシードは、ピクルスに使われたり、ビールやジンの香りづけに使われていて、日本のクラフトビールでは、「水曜日のネコ」の香りづけに使われています。
さて、パクチーはあまり得意ではないものの、コリアンダーシードがランクインしたのは、とある調理法が強く影響しています。
それは、雑誌「RiCE No.18 SPRING 2021」で掲載された、「焦がしカレー」です。
「焦げ」は苦いイメージや、調理失敗のイメージがつきまとい、つい敬遠されがちなものです。しかし、あえてスパイスを焦がして、その香味を楽しむというアプローチに興味を持ち、試してみたところ、焦がしたコリアンダーシードの美味しいこと!
そんな「焦がしカレー」に感銘を受けて作ってみたのが、このレシピです。
シードとパウダー、さらにはパクチーも使って、コリアンダーすぎるエビカレーを作ってみました。
個人的に、「焦がしたとき」にハマったスパイスとして、超ピンポイントなのですが、それだけ強い印象が残ったということで、ランキングに載せてみました。
おわりに
前回の「初心者のときに買ってよかったスパイスランキング」と比べて、かなりマニアックとなった今回の「スパイスカレーに慣れてから買ってよかったスパイスランキング」。
クセがあるものの、ハマる方はとことんハマるようなスパイスが揃っています。特におススメなのは、2位の「フェンネルシード」です。噛んだ時の清涼感に、一口食べたときから虜になりました。
スーパーに売っていなかったりして、見慣れないスパイスもありますが、とても魅力的なスパイスたちなので、輸入食料品店やネットを駆使して、ぜひ揃えてみてください。
みなさんのスパイスカレーの世界がもっと広がりますように。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
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