はじめに
トマトのコクに、トロリとしたナスが絡む。
こんにちは。ハセガワタクミ(カルダモン26)です。
今回は、ナスとチキンを加えたトマト煮込みをイメージしたカレーを作ってみました。
トマトの独特の風味をセロリシードで抑えつつ、トマトのコクをしっかり楽しめるカレーは、ナスが美味しいレシピ。
焼いたチキンの脂を吸ったナスはトロトロで、もしかしたらチキンよりも主役級かも。
だから、このレシピは「ナスとチキンのトマト煮込み風カレー」なのです。
このレシピについて
かつて友人宅でカレーを振舞ったことがあります。
そのときは、2人前のカレーあたり、ホールトマト缶を半分(200g)使ってしまったばかりに、トマトの濃すぎる味と酸味が目立つ味わいに。
友人ならびに、そのご家族は「美味しい」と言ってくださったものの、私個人としては、少々苦い思い出になっていました。
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それから、スパイスカレーを作るときにトマトの量を控えめにしていたのですが、つい先日作った「チリコンカン」が、トマト多めでも、酸味が強すぎず、美味しく仕上がったことで手ごたえを得て、今回は「トマト煮込み風カレー」を作ってみました。
強すぎるトマトの風味を抑えてくれるのはセロリシード。
炒めていると、まさにあのセロリの香りが漂います(若干こちらのほうがビター感あり)。
トマトの風味をほどほどに抑えつつ、奥行きを出してくれるので、先日初めて購入して以来、かなり使うようになったスパイスです。
トマト煮込みによく入っている鶏肉とナスを具材に迎え、トマトの旨みを引き出した、いつもとは少し違う、洋食感ある味わいになりました。
私はご飯派なので、ターメリックライスを用意しましたが、パンと食べてもよさそうです。
ナスとチキンのトマト煮込み風カレーのポイント
具材は焼いてから加えます(特にナス)
トマト煮込みということで、鶏肉とナスを焼いてから加えました。
鶏肉に関しては、皮を焼くことで香ばしさが加わる一方、ブライン液に浸けていたときのような柔らかさはないので、一長一短というところ。
(焼いてから加えたお肉の柔らかさは、1晩寝かせると良くなります)
ですが、ナスはやはり「ナス紺」が活きていたほうが美味しく見えますし、実際トロリとして美味しいので、ナスだけでも油で焼いてから加えてください。
トマト缶は少しこだわって
「トマト煮込み」ですから、そのキモたるトマト缶には少しこだわりたいところ。
トマト缶といってもピンからキリまでありますが、特にこの料理では、150円ぐらいの「有機」や「オーガニック」を謳うものをおススメします。
というのも、カレーなどでトマト缶の酸味が強く残ってしまうのは、量や加熱の問題だけでなく、クエン酸のせいもあると考えられます。
どうしてもお安いトマト缶にはクエン酸が添加されているので、あまり多くは使わない(だいたい80~100gぐらい)スパイスカレーならまだ良いのですが、今回の「トマト煮込み風カレー」ではちょっと良いトマト缶を使ってみてください。
ナスとチキンのトマト煮込み風カレーの材料
【材料(2人前)】 ・鶏もも肉・・・250g~(1枚分) ・塩・・・・・・2g ・ナス・・・・・150g ・油・・・・・・小さじ2×2回分 ・セロリシード・・・0.5~1g なければ、刻んだセロリを1/2本分ぐらい、玉ねぎと一緒に炒めても。 ・ローリエ・・・・・1枚 ・玉ねぎ・・・150g(薄切り) 〈GGペースト(材料を全て混ぜておく)〉 ・にんにく・・・5g(すりおろし) ・しょうが・・・5g(すりおろし) ・水・・・・・・100cc 〈パウダースパイス〉 ・クミン・・・・・・・・5g(約小さじ2) ・コリアンダー・・・・・4g(約小さじ2) ・カイエンペッパー・・・1g(約小さじ1/2) ・ターメリック・・・・・1g(約小さじ1/4) ・ホールトマト缶・・・200g ・塩・・・・・・・・・4g ・水・・・・・・・・・100cc
ナスとチキンのトマト煮込み風カレーの手順
1.ナスは食べやすい大きさから、気持ち大きめに乱切りにする(焼くと縮むので)。
鶏もも肉は余分な皮と筋を取り除いたら、1枚をだいたい8等分にし、塩2gをまぶしておく。
2.フライパンに油小さじ2を熱し、鶏もも肉を皮目から焼く。
皮に焼き目がついたらひっくり返し、身の側はサッと焼いて取り出しておく。
残った脂でナスを皮から焼き、鮮やかになったらひっくり返してさらに焼く。
ナスが脂を吸ってしんなりとしたら、ナスも取り出しておく。
3.フライパンに油小さじ2とセロリシード、手で半分に割ったローリエを加え、弱めの中火~中火で熱する。
ローリエの色が変わり、セロリシードの香りが立ってきたら、強めの中火にして、玉ねぎと塩4gからひとつまみ分を加えて炒める。
4.玉ねぎの端が色づき始めたら、差し水100ccぐらいを注ぎ、玉ねぎをヘラなどで軽く潰しながら炒め煮する。
水気が飛んで、また玉ねぎが色づき始めたら、〈GGペースト〉を加えてさらに炒め煮する。
ここで玉ねぎをしっかり潰しながら炒める。
にんにく、しょうがの香りが立ち、また水気が飛んだら火を弱めて〈パウダースパイス〉と、残りの塩を加える。
↓もっと詳しく見たいという方は、この記事をご覧ください。
5.スパイスの粉っぽさがなくなるまでしっかり混ぜたら、焼いた鶏肉、ホールトマト缶を入れて火を中火~強めの中火に強める。
トマトを加えたカレーがグツグツと煮立ち、赤い油が表面に浮いてくるまで加熱する(だいたい2~3分。時々混ぜるくらいにして、あまり触らない)。
ナスを戻し入れ、水100ccを注いで再び煮立たせたら、フタをして弱火にし、15分煮る。
6.フタを開けて好みの水分量まで煮詰めたら、味見をして足りなければ塩を補って完成。
ライスと食べるなら、気持ち強めがいいです。
横に添えたほうれん草は、塩茹でしたものを、バターとナツメグ、塩でさっとソテーしたものです。
トマトが活きたスパイスレシピたち
このカレーを作るきっかけになったレシピ。
スパイスカレーのエッセンスを入れて、しっかり炒めた玉ねぎを使えば、コンソメいらずで美味しいチリコンカンに。
パンやチップス、タコスだけでなく、ライスでも美味しいです。
スパイスとハーブを効かせたトマトの万能ソースで食べる、チーズとほうれん草の餃子は、にんにくガツンと効いた、洋風系の餃子です。
トマトソースのおかげでスッキリ、あっさり食べられ、何個でもいけそう。
こちらは中華風の炒め物。エビとナスを、五香粉に使われる八角とフェンネル(フェンネルは入ってないこともあるけど)の風味で炒めました。
リッチな風味が漂いつつ、抜け感あるスパイスがスッキリとさせてくれ、箸がどんどん進みます。
おわりに
トマト多めでも、調理法やスパイス、そしてトマト缶そのものを見直すことで、嫌な酸味が立たず、トマトの旨みを存分に楽しめるカレーになりました。
私はあまり洋食を作るのが得意ではないのですが、こんな洋食に振ったカレーを作ってみるのも悪くないと思える一品です。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
↓ダイスカットされていますが、使われているトマトは、ホールトマト缶で使われ、煮込みに向くサンマルツァーノ種です。
↓一本あれば色々使えて便利です。カレーよりは、ドレッシングとかに使われることが多いかもしれません。
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